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2023 年度 実施状況報告書

大腸癌肝転移巣制御に対する新規個別化免疫療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K08195
研究機関神戸大学

研究代表者

裏川 直樹  神戸大学, 医学研究科, 助教 (20647763)

研究分担者 掛地 吉弘  神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
山下 公大  神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
齋藤 雅史  帝京大学, 基礎医学, 助教 (80826321)
高村 史記  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (90528564)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード大腸癌 / 肝転移 / レジデントメモリーT細胞
研究実績の概要

免疫チェックポイント阻害剤(Immune Checkpoint Inhibitor;ICI)をはじめとする免疫療法は、近年、がん治療において大きな注目を集めている。特に、予後不良とされてきた転移性大腸癌に対しても、免疫療法の効果が期待されている。しかしながら、肝転移を伴う症例においては、ICI治療への不応答が報告されており、未だ充分な治療効果が得られていないのが現状である。我々は過去の研究において、腫瘍抗原情報を導入したNKT細胞(Natural killer T細胞)活性化ワクチンを開発し、その機序を解明してきた。本ワクチンにより、メモリーCD8+T細胞サブセットでPD1を高発現するとされるレジデントメモリーT細胞(Tissue resident memory T細胞;TRM細胞)が誘導され、腫瘍再発モデルにおいて、腫瘍制御の重要な役割を担うことを明らかにした。本研究では、大腸癌肝転移に対する新たな免疫療法の開発を目的とし、①NKT細胞活性化ワクチンによる大腸癌肝転移巣内へのTRM細胞誘導・発現過程の解明、②NKT細胞活性化ワクチンを用いた大腸癌に対する新規免疫療法モデルの構築を目指している。
現在、C57BL/6マウスを用いて、皮下腫瘍移植モデルと肝転移モデルを作成し、研究を進めている。皮下腫瘍移植モデルでは、腫瘍タンパク抗原を導入した大腸癌細胞株MC38-OVAを用いており、大腸癌由来の樹状細胞ワクチンベクターOVA-EP-DC/Galによる治療を行い、治療効果について腫瘍内へのTRM細胞の誘導や分布状況などを解析し、検証を進めている。一方、肝転移モデルは、MC38細胞株をマウス脾臓に投与することで作成しており、同様に解析・検証している。本研究により、NKT細胞活性化ワクチンによる大腸癌肝転移巣へのTRM細胞誘導メカニズムが明らかになれば、新たな免疫療法の開発につながることが期待される。将来的には、ICI治療に不応答な大腸癌肝転移症例に対する効果的な治療法の確立を目指し、研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

大腸癌肝転移マウスモデル作成に時間を要し、また腫瘍タンパク抗原(OVA)を樹状細胞に直接導入する電気的穿孔法の安定性を確保することに時間を要している。

今後の研究の推進方策

皮下腫瘍移植肝転移モデルマウス(MC38-OVA)へのワクチン導入モデルの実験をさらにすすめ、またヒト大腸癌肝転移組織検体におけるTRM細胞などの腫瘍免疫細胞の分布状況、動態解析を行う。肝転移モデルの確立には成功しているため、本研究は進行できるようにさらなる最適化を行い、実験を進める。
また、電気穿孔法に代替する抗原導入法を検討しており、樹状細胞のマクロピノサイトーシスを利用した方法であり、抗原導入に関して成功している。

次年度使用額が生じた理由

物品の納入が遅れたため

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公開日: 2024-12-25  

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