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2024 年度 実施状況報告書

人工知能アルゴリズムによる音響解析を用いたLVAD診断システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K08233
研究機関大阪大学

研究代表者

三隅 祐輔  大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (20631477)

研究分担者 櫻井 保志  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30466411)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード植込み型左室補助人工心臓 / 在宅医療 / 音響解析 / 人工知能
研究実績の概要

LVAD装着患者の駆動音を小型高感度マイクで収録し、カスタムソフトウェアを用いて音響信号を解析した。LVADポンプ回転に伴う楽音及びその他のノイズについて、周波数成分と振幅成分等を抽出した。続いて音響データを数値化し、臨床的なパラメータとの比較検討を行った。
第三世代磁気浮上型LVAD機種を装着された症例から、延べ180回の音響信号データを収集した。カスタムソフトウエア(MATLAB)を用いて音響信号の時間周波数解析を行い、臨床データとの関連を検討した。当該機種において、回転数が予め設定された値で通常駆動しているLVADにおいて、LVAD回転数を反映する基音の周波数と基音の大きさ(amplitude)それぞれの変動に周期性がみられており、臨床データと比較検討すると、この周期性から算出される周波数から、自己心の心拍数および呼吸回数が導出されることが判明した。
上記の如く臨床データから得られた結果に対するvalidationを行う目的で、模擬循環回路を用いた実験環境を構築した。模擬循環回路装置として、循環動態シミュレーター ラボハート(Laboheart NCVC, イワキ社)を選定した。同装置の左室相当部とLVAD inflowを接続し、LVAD out flowを同装置の大動脈相当部に接続することで、心拍動環境下でのLVAD駆動を模擬する環境を構築した。今後、同装置を用いて前負荷や後負荷、自己心拍出の増減などの循環動態因子とLVAD駆動状況の関連を検証する。
LVAD音響信号解析を通じて、経時的かつ非侵襲的にLVAD異常や循環動態の変動を予測・診断し、LVAD在宅患者に対する遠隔管理システムの技術的基盤の確立を目指していく。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度に予定していた計画は、① LVAD装着症例から経時的に録音したLVAD駆動音と各症例のLVAD駆動状況や循環動態、② LVADを組み込んだ模擬循環回路を用いた、LVAD駆動音と循環動態因子、LVAD駆動状況との関連の検証、③ LVAD駆動音から循環動態の変動やLVAD駆動異常を早期に検知する機械学習アルゴリズムの作成、の三項目であった。
① LVAD装着患者からの駆動音及び臨床データの蓄積、に関しては、現在の主力機種である磁気浮上型LVADを装着した症例から延べn=180の音響信号データを収集し、当該症例における循環動態や臨床所見に関するデータも集積した。症例データの蓄積は予定通りに進捗しており、一部の指標に関して臨床所見と音響信号との関連も同定しえた。概ね予定通りの進捗と考えらえる。
②模擬循環回路にLVADを組み込んだ実験環境の構築が完了した。模擬循環回路とLVADの接続や同環境での音響信号の採取にあたって、既製品での環境構築が困難であり、別途専用の治具を準備する必要があったため、当初計画より環境構築に時間を要した。今後、前負荷・後負荷の変化や自己心拍出の変化、大動脈弁逆流の増悪などに対してLVAD駆動音が受ける影響を解明する。
③上記②の模擬循環回路にLVADを組み込んだ実験環境構築に時間を要したため、本項目の研究内容については令和7年度に実施する予定とする。

今後の研究の推進方策

②模擬循環回路を用いた、LVAD駆動音と循環因子との関連の検証
模擬循環回路にLVADを組み込んだ実験環境の構築が完了しており、予備実験において自己心拍動の再現とLVAD駆動に問題が無いことを確認した。今後、前負荷・後負荷の変化や自己心拍出の変化、大動脈弁逆流の増悪などに対してLVAD駆動音が受ける影響を解明する。本研究項目にて得られた成果をもって、上記課題①にて得られた音響データと臨床所見との相関に関するvalidationとする。

③LVAD駆動音から循環変動やLVAD駆動異常を検知するアルゴリズムの作成上記課題によって解明されたLVAD駆動音と循環因子及びLVAD駆動状況の関係を元に、異常発生の予兆となりうる微細な信号変化を捉え、異常発生の予測を行うモデルを作成する。音響成分からその特徴的な変数(特徴量)を複数抽出し、それらの変数を機械学習的手法で解析する方法を軸としてすすめるが、この際に症例毎に蓄積されたデータを時系列データ解析の手法を応用する。

次年度使用額が生じた理由

模擬循環回路を用いた実験に使用する物品の購入費用を計上していたが、環境構築の準備の関係で翌年度に使用することとなったために、次年度使用額が生じた。次年度使用額の使途としては当初計画の予定通りであり、計画通りに執行する。

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公開日: 2025-12-26  

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