研究課題/領域番号 |
23K08264
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
坂本 俊一郎 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50398872)
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研究分担者 |
前田 基博 日本医科大学, 医学部, 助教 (00832073)
鈴木 憲治 日本医科大学, 医学部, 講師 (20623341)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 洞結節マッピング |
研究実績の概要 |
本研究では徐脈性不整脈として洞結節機能低下のみを対象にする。洞結節に相当する解剖部位の障害モデル(障害の程度を様々に変える)を作成し、正常と障害モデルでの心臓神経叢アブレーション効果として洞結節機能と早期興奮部位を含む興奮伝導パターンを解析する。副交感神経刺激時のpacemaker complexの反応を含めて心臓神経叢アブレーションの徐脈抑制としての有用性を明らかにすることである。 本実験では使用動物として雑種成犬を予定していたが、犬の購入および管理が困難と判明し、実験動物をウサギへの変更を検討することになった。従って新たな電極およびマッピングシステムの確立も含めたセットアップにかなりの時間を要している。 本実験では洞調律時の心房電位の記録ならびに興奮伝播様式の解析が必須であるが、この際にウサギの心房のサイズや大血管との解剖学的位置関係に影響を受けずに洞結節を中心した右心房自由壁、心房間伝導路そして左房天井まで連続した興奮電位を記録することが求められる。左右心房が一塊となった鋳型から作成した比較的大きな多極電極ではなく、16固の双極電極(同心円状)を配した小さく、かつflexibleな帯状の心房電極を主要な解剖部位へと確実にあてることができる特殊な電極を作成した。マッピングシステムとして電位を解析するパソコン機器、アンプやケーブルなどの機器周辺物品、さらにはソフトの購入を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実験動物の変更のため、実験に必要な電極の新たな作成、および実験システムの確立に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
実験動物を変更する上で、電極およびマッチングシステムの変更以外に実験方法は同じである。令和6年前半はパイロットスタディーとして洞結節障害(SND: sinus node dysfunction)モデルの作成を行う。20% formaldehydeを染み込ませた綿パッチを洞結節部(SVC-右房junction)へと貼付(5~10分)この際、junctional rhythmが出現したものをcomplete SND モデル また出現しないものをincomplete SND モデルとする。 令和6年後半は3つの洞結節機能の障害モデルそれぞれ対してGP焼灼を行い、洞結節機能の回復の程度につき、また興奮伝導様式につき調べ研究継続の妥当性につき検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物の変更のために国内の学会での情報収取に必要な経費が生じ、また研究で使用するマッピングシステムや実験環境の整備のために前倒しで支払いを行ってきたが、その他の支出予定でもあった実験動物のモデル作成(パイロットスタディ)まで遂行することができなかった。
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