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2023 年度 実施状況報告書

虚血肢に対するゲル化Perifascial areolar tissue(PAT) 移植による血管誘導

研究課題

研究課題/領域番号 23K08282
研究機関金沢医科大学

研究代表者

岸邊 美幸  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (40298336)

研究分担者 宮永 亨  金沢医科大学, 医学部, 講師 (60566868)
宮永 葵子  金沢医科大学, 看護学部, 講師 (80782367)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード血管網組織移植
研究実績の概要

研究目的:PAT内組織幹細胞(CD34+、CD90+)や細胞外マトリックス、成長因子を含む『ゲル化PAT注入による血管誘導効果を基礎的に検証すること』である。近年、間葉系組織幹細胞による虚血肢の治療が注目されている。CD34+組織幹細胞を骨髄や脂肪から抽出し、虚血肢に数十カ所局所注射することにより虚血肢の新生血管を誘導する治療法である。申請者らはこれまでに、PAT内にCD34+組織幹細胞が豊富に存在し、血管新生を促進する成長因子や細胞外マトリックスを有していることを解明した。本研究は、PATをゲル化し局所注射することで、安全、簡便、低コストに虚血肢治療が行えるのではないかと考え、その血管誘導効果の基礎的検証を行う。
研究実施計画:ヒトのPATをシングルセル解析を行う。比較対象組織として、同じヒトから脂肪組織、皮膚、筋膜を採取する。次に、虚血肢の筋肉内にゲル化PATを局所注射して下肢の血行評価を行う。PATを剪刀で細片後、ホモジナイザーでゲル化する。脂肪移植用カニューレを用いて下肢の筋肉内に局所注射する。術後1、3、6、10、14日にレーザードップラーで可視化して血流改善を評価する。組織染色や免疫化学組織染色(CD31, aSMA)で毛細血管密度を計測する。免疫組織染色により、投与した移植幹細胞(CD34+CD31-、CD90)の発現を観察する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

近年、組織内の遺伝子を網羅的に解析可能なシングルセル解析が発展してきており、本研究はまだ未知な組織であることから、申請書に記載した方法よりも本解析法が最も適切であると判断した。しかし、高価な検査法であることから、予算が足りなかった。従って、令和5年度と6年度の研究費を合わせて、来年度にこれを行う予定である。

今後の研究の推進方策

シングルセル解析を行う。その後、虚血肢の筋肉内にゲル化PATを局所注射して下肢の血行評価を行う。また、虚血性潰瘍に注射して創治癒を観察する。
① ヌードマウスの下肢虚血モデルへ投与(下肢動脈の結紮)
PATを剪刀で細片後、生理食塩水と混合しホモジナイザーでゲル化する。脂肪移植用カニューレを用いて下肢の筋肉内に局所注射する。必要に応じて皮膚を小さく切開する。術後1、3、6、10、14日にレーザードップラーや微小血管造影法で可視化して血流改善を評価する。安楽死後組織を採取し組織染色や免疫化学組織染色(CD31, aSMA)で毛細血管密度を計測する。免疫組織染色により、投与した移植幹細胞(CD34+CD31-、CD90)の発現を観察する。
② ヌードマウスの皮膚欠損創へ局所注射
上記と同様にゲル化PATを作製し、脂肪移植用カニューレを用いて皮膚欠損の下床へ局所
注射する。組織染色・免疫化学染色で血管密度や内皮細胞数、組織幹細胞を計測し、それら肉芽を形成する細胞がレシピエント由来かドナー由来かを検討する。創収縮率や上皮化率をデジタル写真で計測する。創面のサイトカインをELISAやマイクロArayで計測する。

次年度使用額が生じた理由

近年、組織内の遺伝子を網羅的に解析可能なシングルセル解析が発展してきており、本研究はまだ未知な組織であることから、申請書に記載した方法よりも本解析法が最も適切であると判断した。しかし、高価な検査法であることから、予算が足りなかった。従って、令和5年度と6年度の研究費を合わせて、来年度にこれを行う予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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