研究課題/領域番号 |
23K08308
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 隆哉 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (80611996)
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研究分担者 |
渡辺 有為 東北大学, 大学病院, 助教 (20724199)
大石 久 東北大学, 大学病院, 講師 (60451580)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バイオ人工肺 / mRNA / リプログラミング |
研究実績の概要 |
本研究ではヒト肺由来の初代培養細胞を用いてmRNAによる部分リプログラミングを通じて分化系統の限られた前駆細胞用集団を生み出すことを目的としている。集団的リプログラミング法は市販培養細胞(小気道上皮細胞・臍帯静脈血管内皮細胞)の使用によりある程度の再現性が得られる結果となっていたが、系統による方法の違いや増殖条件の違いが問題となっていた。とくに臨床検体から初代培養細胞の分離後には細胞がかなり死滅することがわかっており、本研究においてもこの点がネックになっている。より条件の緩やかな細胞分散法を検討している。またリポフェクション法によるmRNAトランスフェクションが死細胞を増やす原因となっている。この解決のため、まず死細胞の少ない市販細胞を用いてより効率的かつ毒性の少ないmRNAトランスフェクション法を追求している。 バイオリアクター開発においてはマウススケールのものが完成し、さまざまな系統の細胞を注入して全肺再生にまで持ち込めるプラットフォームを作り上げることができた。またフラクタル解析など数学的な手法により、還流型バイオリアクターに注入する細胞数の最適化に成功している。この最適化された条件をもとに、脱細胞化肺のなかに毛細血管網を再生し、その再生肺をマウスに同所性移植することに成功している。同時にラットサイズへむけて還流システムのアップグレードに取り組んでおり、パイロット実験を行っている。ラット肺の脱細胞化は十分に検証されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初代細胞による部分リプログラミングの最適化に難渋しており、まずトランスフェクション後の生存率向上のための方法を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
トランスフェクション法をより死細胞のすくなくなる条件に変更する必要がある。現在はリポフェクション法による導入を行っているが、おそらく初代細胞で増殖能のない細胞への導入は困難と考えられる。今後はエレクトロポレーションによるmRNA導入を試みる。また修飾RNAの種類も変更する可能性を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
ほぼ予定通りの支出を行っているが、1208円だけ翌年度への繰越とする。
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