研究課題/領域番号 |
23K08317
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河原 邦光 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (70755313)
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研究分担者 |
神保 直江 神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (00773772)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 早期中皮腫 / 胸水細胞診 / セルブロック / BAP1 / MTAP / p16FISH |
研究実績の概要 |
令和5年度については、2018~2023年の6年間に、神戸大学医学部付属病院病理部(以下当病理部)の細胞診・組織症例として保管されている胸水貯留症例の細胞診標本のうち、セルブロックが同時に作成されて、疑陽性と判定された細胞診症例を対象として検討を開始した。疑陽性症例を対象としたのは、当病理部の細胞診断のレベルでは、早期中皮腫を陰性と見落とさず、疑陽性以上に判定できるレベルにあると判断したためである。 検討した症例の内訳は、臨床病理学的な悪性症例で鑑別困難であった24例(肺癌7例、リンパ腫4例、中皮腫/中皮腫疑い4例、甲状腺癌1例、白血病2例、血管肉腫1例、卵巣癌1例、軟部肉腫1例、乳癌/乳癌2例、腎癌1例)と、臨床病理学的に良性であった4例(膿胸1例、不明熱1例、肝硬変1例、心嚢液1例)の総計28例を検討した。 方法は、週に1日、研究協力者とともに当病理部のdiscussion顕微鏡下に判定を行い、多数の中皮細胞が出現していると思われる症例を選び出し、それらが中皮細胞であることを、セルブロックで免疫組織化学(以下IHC)を実施して確認した。最初に、一次抗体としてCKAE1/AE3、CAM5.2、calretinin、podoplanin、 WT1、TTF-1、CEA、Claudin4を用いて多数の中皮細胞が出現していることをIHCにて確定し、確定したの症例に、BAP1、MTAPを用いたIHCを実施し、その欠失の有無を確認した。 結果は、欠損が疑われた症例は2例(肺癌1例、乳癌1例)みられ、1例ではBAP1の欠損が、1例では、BAP1とMTAPの欠損が疑われた。令和6年度は、この2例に、p16遺伝子の9p21領域の欠損を検出すするFluorescence in situ hybridaizationの実施し、早期中皮腫の可能性の有無について検討を行うとともにさらなる多数症例の検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通りに研究が進められている。
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今後の研究の推進方策 |
倫h層病理学的に良性の症例で疑陽性と判定されている症例は、中皮細胞の出現が極めて少ない症例が多く、検討対象とするのは難しいのが現状である。
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次年度使用額が生じた理由 |
来年度は、追加の免疫組織化学、FISH検査、および論文執筆や学会参加のために使用する。
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