研究課題/領域番号 |
23K08348
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
北埜 学 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (10838296)
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研究分担者 |
南 敏明 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (00257841)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / ノシセプチン |
研究実績の概要 |
パーキンソン病(以下PD)は痛みを併発する神経変性疾患であるが、痛みのメカニズムは不明で有効な治療法は存在しない。今回、PDモデルマウスを作製し、疼痛発生機序の解明と新規鎮痛薬開発に結び付ける。全身麻酔下に8-9週齢の C57BL/6J マウスに1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine(以下MPTP)を20mg/kg/100μlの容量で2時間おきに4回腹腔内投与し、PDモデルマウスを作製した。モデル作成後10日目に疼痛閾値が最も低くなることを明らかにしており、PD関連痛モデルとした。PD関連痛モデルマウスにノシセプチンオピオイドペプチド(以下NOP)受容体拮抗薬であるSB-612111を腹腔内、または脊髄腔内に投与し、von Frey試験で 疼痛閾値の変化を評価した。 SB-612111の連日腹腔内投与(1㎎/kg)で鎮痛効果が得られた。髄腔内投与では有意差はみられなかった。行動評価としてRotarod testを施行したところ、PD関連痛モデルは行動に変化はみられなかった。SB-612111の連日腹腔内投与を行ったが、変化はみられなかった。疼痛評価後、全身麻酔下に灌流固定を行い、脳を摘出した。脳内のカテコラミン定量を外部に委託した。PD関連痛モデルマウスでは脳内のカテコラミン量の減少がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PD関連通モデルにSB-612111を投与したところ鎮痛効果が得られた。運動に影響はみられなかった。
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今後の研究の推進方策 |
疼痛評価後、全身麻酔下に灌流固定を行い、脳、脊髄を摘出する。NOP受容体の発現部位、発現レベルを免疫反応で確認する。NOP受容体拮抗薬以外の試薬でも鎮痛効果の検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品は研究室にあるもので十分に対応ができた。マウスの購入は他大学との共同研究費から捻出した。次年度はNOP受容体拮抗薬の投与が脳内のカテコラミン量に影響があるか、HPLCで検証を行う予定である。
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