研究課題/領域番号 |
23K08350
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター) |
研究代表者 |
中村 雪子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター), こころの科学リサーチセンター, プロジェクトチームリーダー (90548083)
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研究分担者 |
島田 昌一 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター), こころの科学リサーチセンター, ユニットリーダー (20216063)
木村 文香 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター(こころの科学リサーチセンター), こころの科学リサーチセンター, プロジェクトチームリーダー (50804291)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 慢性疼痛 / 痛覚変調性疼痛 / 5-HT3受容体 |
研究実績の概要 |
我々は近年、治療が困難な慢性疼痛の主要因とされるnociplastic pain(痛覚変調性疼痛)のモデル動物を作成し、そのモデル動物では特に前脳の前帯状回が活性化していること、さらにその活性化および痛み様行動はセロトニン3受容体(5-HT3受容体)アゴニストによってキャンセルされることを報告した。しかし活性化以降のメカニズム、および5-HT3受容体アゴニストによる鎮痛メカニズムについての詳細は明らかになっていない。本研究では、この器質的損傷や炎症を伴わない痛覚変調性疼痛の一因と考えられる「条件づけに由来する痛み」のメカニズムを明らかにすることを目的とした。さらにこれを基礎とし、創薬展開も目指した。 標的領域である前帯状回のRNAシークエンスの結果、痛み条件づけ環境下で発現が変動する因子、および5-HT3受容体アゴニストの投与によって、発現が変動する因子など、疼痛および鎮痛に関するいくつかの候補因子の同定に成功した。これらを詳しく解析することで、標的領域活性化以降の経路がある程度明らかにできると考えている。今後それぞれの因子の条件づけに由来する痛みへの関連性について検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今度研究計画の残りである、痛み条件づけ環境下で分泌される脳内伝達物質のマイクロダイアリシスによる同定、および標的細胞の人為的活性化等を行い、条件づけに由来する痛みのメカニズムを明らかにする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入したトランスジェニックマウスが予想通り増えなかったため、その実験を次年度に行う予定である。
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