研究課題/領域番号 |
23K08351
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
外崎 充 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60419968)
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研究分担者 |
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | オレキシン / 麻酔 / ノルアドレナリン / 自律神経 |
研究実績の概要 |
オレキシン(OX)、OX1型受容体拮抗薬(SB)、ノルアドレナリン(NA)特異的破壊薬(DSP4)を用いケタミンの鎮痛メカニズムにおけるOXとNAとの関連について検討を行った。OX活性が低下している遺伝子改変ラットにおいてケタミンの鎮痛効果はOX投与で増強された。この効果はNA活性とは無関係であったが、SBの投与で消失した。この結果は、OX単独でケタミン鎮痛作用に関与することが考えられた。 内因性覚醒物質であるオレキシン(OX)と中枢ノルアドレナリン(NA)の活性化はプロポフォールの麻酔時間を短縮する。本研究では両者はミダゾラム(MDZ)麻酔にどのような影響を及ぼすかOX活性が低下した雄性遺伝子改変ラットとその野生型のラットを用いMDZの麻酔時間に及ぼす影響を検討した。その結果、遺伝子改変ラットではMDZの麻酔時間が延長した。OX活性が低い遺伝子改変ラットでは大脳皮質と橋のNA活性も低かった。野生型ではMDZ麻酔時間とNA活性は逆の関係であった。アティパメゾール1.0mg/kg投与群では正向反射が消失しない個体が見られた。遺伝子改変ラットでもNA活性を抑えるとMDZ麻酔時間が延長した。 本研究から内因性覚醒物質オレキシンの不活化はミダゾラムの麻酔作用を強めたが機序の一環に中枢NA活性を介することが示唆された。この結果、臨床に用いられている静脈麻酔薬一般にOX神経活性は自律神経活性と共に鎮静作用に関与することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸内細菌叢の検討は測定評価法を調整中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は更に様々な麻酔薬に対し検討する予定。他の評価法も実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由) ラット腸内細菌叢のプロファイリングを16s rRNAを用いた細菌叢解析を行い、鎮静薬およびLPS投与の各投与前後で細菌叢がどのように変動するかを検討するにあたり、当該年度の予算では予備検討も含めると十分なサンプル数を解析することが出来なかった。翌年度にむけて比較検討に十分なサンプルを取得し、細菌叢解析を行うために当該年度の予算を一部執行せず、繰り越すこととした。
次年度計画) 鎮静薬およびLPS投与の各投与前後で回収したラット糞便サンプルを用いて16s rRNA細菌叢解析を行い、鎮静薬や敗血症発症が腸内細菌叢に与える影響を検討する。
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