研究課題/領域番号 |
23K08361
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
近藤 隆志 広島大学, 病院(医), 講師 (20711774)
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研究分担者 |
向田 圭子 広島大学, 病院(医), 寄附講座教授 (20182066)
堤 保夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (90523499)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 悪性高熱症 |
研究実績の概要 |
悪性高熱症は主に麻酔薬により誘発される全身麻酔の致死的合併症であるが、診断のために必要な筋生検は侵襲が大きく、特に小児においては全身麻酔が必要となるため検査を行うことが困難である。また、悪性高熱症の主病因は骨格筋細胞内に存在する1型リアノジン受容体(RYR1)の遺伝子変異によるカルシウム代謝異常と考えられているが、原因となる遺伝子変異部位の全容は現在でも明らかになっていない。 本研究課題では、MH患者の尿中に含まれる細胞に骨格筋への分化を誘導する転写因子(MYOD1)を導入することで筋細胞を作成し、作成した筋細胞を使用して薬剤への反応性を評価する無侵襲診断法を確立するとともに、遺伝子情報の収集および病態の解明を進めることを主目的とする。 研究の方法としては、尿中細胞へのMYOD1の導入による筋細胞の作成、作成した筋細胞によるカルシウム感受性試験、MH患者の遺伝子情報解析の3つのプロセスに大きく分けられるが、これらを段階的に進めていくことで最終的に筋生検を必要としない低侵襲的検査法を確立する計画である。 今年度は、尿中の腎・尿路系上皮細胞(urine-derived cells; UDCs)にMYOD1遺伝子を導入するために、MYOD1を組み込んだレトロウイルスを作成し、MYOD1レトロウイルスをUDCsに感染させることで、UDCsにMYOD1遺伝子を導入して筋細胞に分化させることを目標とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の前段階として、ボランティアから採取した尿から培養したUDCsにMYOD1遺伝子導入レトロウイルスを作成し感染させることにより、筋細胞に分化させることを試みたが、筋細胞を作成することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは細胞培養条件の見直しを行い、安定した筋細胞培養を確立することを次段階の目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品購入費が予想していたよりも少なくなったため、次年度に充てるよう計画している。
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