研究課題/領域番号 |
23K08405
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
石田 高志 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60531952)
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研究分担者 |
伊藤 真理子 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60581832)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 関節炎 / 疼痛 |
研究実績の概要 |
関節炎による痛みを調べるために、CFAをラットの膝関節に投与したラット関節炎モデルと生理食塩水を膝関節に投与したコントロールラットを作成した。ラット関節炎モデルの痛みの変化を評価するために、足底皮膚に対する機械性痛覚過敏をvon Fray filamentを用いて逃避閾値を評価し、自発痛の評価を行うために患肢への荷重(Dynamic weight bearing)の評価を行った。それぞれの疼痛関連行動は、モデル作成前、モデル作成後3日目、7日目、10日目、14日目に行った。 ラット関節炎ではモデル作成後3日目にもっとも強い疼痛関連行動を示し、徐々に痛みは減少したが14日目まで足底の機械性痛覚過敏は継続した。これらの研究により、ラット膝関節モデルではヒトの膝関節炎と同様に荷重による自発痛と皮膚の痛覚過敏を起こすことが確認され評価モデルとして適切であることが確認された。 ラット膝関節モデルとコントロールモデルを用いて、膝関節をMRIで骨髄内病変評価を行った。MRIはモデル作成前、作成3日目(関節痛が最も強い時期)、作成14日目に評価を行った。モデル作成3日目でラット膝関節炎モデルでは膝関節側脛骨末端でコントロールラットと比べてT2強調像で高信号域を認めた。ヒト関節炎患者でも同様の高信号域を認めることから、ラット膝関節モデルでも同様の変化が認められることが明らかとなった。 本研究で作成した、膝関節モデルは疼痛関連行動やMRI画像でもヒト膝関節炎に類似した所見を認められることが確認できたため今後、このモデルを用いて骨髄内病変をターゲットとした鎮痛法の評価を行っていく予定とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の研究結果より本研究で作成したモデルが、ヒトの関節炎患者と同様の所見を認めることが明らかとなった。今後は、この膝関節炎モデルを用いて骨髄内病変をターゲットとした鎮痛法を評価していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究結果より本研究で作成したモデルが、ヒトの関節炎患者と同様の所見を認めることが明らかとなった。今後は、この膝関節炎モデルを用いて骨髄内病変をターゲットとした鎮痛法を評価していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は当初の予定より順調に関節炎モデル作成を行うことができた。そのため実験動物の使用数や薬品の使用量を抑えることができ、次年度に繰り越す形になった。次年度は薬剤の効果を評価するため、本年度の繰越額を用いて当初の計画よりも多くの薬剤を評価できると考えている。
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