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2023 年度 実施状況報告書

周術期臨床応用を目指した神経ステロイドによるTMEM16制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08412
研究機関順天堂大学

研究代表者

菅澤 佑介  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80459114)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワード神経ステロイド / TMEM16 / スクランブレース / イオンチャネル
研究実績の概要

TMEM16はリン脂質スクランブレース/イオンチャネルである。このスクランブレースは、細胞膜の脂質を移動させることにより、生体内で血液凝固、アポトーシスに関与し、イオンチャネルとして、侵害感覚受容等の重要な生理的役割を担う。TMEM16制御メカニズムの解明は、周術期の麻酔・疼痛制御における新たな研究領域として注目を集めているが、申請者は、コレステロールがTMEM16への特異的結合を介して、スクランブレースを制御する陰性アロステリック調節因子であることを発見し、さらに、脂質によるTMEM16制御作用のスクリーニングの結果、生体内でコレステロールから生成される神経ステロイドがTMEM16を制御することを発見した。神経ステロイドは中枢神経系の興奮性と機能の調節を担い、全身麻酔薬や、うつ病の治療薬に臨床応用されている。本研究では、スクランブレースnhTMEM16を用いた蛍光標識定量法を用い、内因性神経ステロイドのAllopregnanolone(AlloP)がTMEM16のスクランブレース活性を抑制することを見出した。さらに、光親和性標識法と質量分析を用いて、AlloP添加によるコレステロール光親和性標識の阻害をみとめたため、AlloPはコレステロールと共通の結合部位を介して、TMEM16を制御する可能性が示された。今回、神経ステロイドによるTMEM16制御の役割を解明すべく、構造解析および電気生理学的解析を軸に分子機序の詳細な解析を実施し、神経ステロイドがアロステリック調節因子として、スクランブレース活性を抑制するだけでなく、TMEM16のイオンコンダクタンスも制御する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に予定していた実験計画は遂行され、概ね期待された実験結果が得られている。

今後の研究の推進方策

研究計画を遂行し、本プロジェクトに関する学会発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

昨年度は高価な試薬の使用頻度が低かったが、次年度は確実に増えることが見込まれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Successful one-lung ventilation in a patient after laryngectomy by inserting a long spiral single-lumen tube into the left main bronchus: a case report2024

    • 著者名/発表者名
      Imai Emi、Fukuda Masataka、Kochiyama Tsukasa、Yamaguchi Ai、Sugasawa Yusuke、Hayashida Masakazu、Kawagoe Izumi
    • 雑誌名

      AME Case Reports

      巻: 8 ページ: 16~16

    • DOI

      10.21037/acr-23-108

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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