研究課題
重症敗血症で、白血球減少による免疫抑制状態や、血小板減少を伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)が生じると予後不良を来すことは広く知られている。申請者らは、敗血症に伴う病態の中で、血球減少に注目している。パイロトーシスは、細胞内感染時に誘導されるプログラムされたネクローシス性細胞死の一種で通常、単球、マクロファージおよび樹状細胞などの自然免疫系の細胞で誘導されるが、今回の我々の予備実験で、好中球や血小板にもパイロトーシスが起き、敗血症病態に寄与することが示唆された。(臨床研究)敗血症患者で、急性期DICスコアの血小板数1点以上の血小板数減少群、白血球数<4,000/μLの減少群、白血球及び血小板数維持または増多群、非敗血症患者群との群比較で血球内miRNAとmRNA発現解析後、パスウェイ解析ソフトを用いてmiRNA-mRNAの相互作用を解析し、血球数減少の原因遺伝子、蛋白質を同定する。(細胞実験)血小板、血小板系培養細胞(Meg-01)細胞、好中球。好中球系培養細胞(HL-60)細胞を用いて臨床研究から推定された血球数減少に関連するmiRNA、mRNA、タンパク質を同定する。
3: やや遅れている
コロナ禍で、外部委託業者の出勤時間、営業時間が限られていたため、一部の受託実験に遅れが生じている。また、コロナ禍で海外工場の製造制限のため、実験消耗品輸入にも時間がかかっている。
引き続き、臨床研究、細胞実験の実験を施行し、研究結果の解析を進めていく。また、敗血症、またはDICモデルで血球数が減少したラットから採血を行い、ヒトと大凡同様のmRNA,、miRNA,、タンパク質の変化が見られるのか観察する。
実験計画に遅れがみられ、以下の実験の費用の支払いを令和6年度に持ち越したため。コロナ禍で、外部委託業者の出勤時間、営業時間が限られていたため、一部の受託実験に遅れが生じたり、海外工場の製造制限のため、実験消耗品輸入にも時間がかかっているが、その支払いをする必要があるため。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件)
Br J Anaesth
巻: 131 ページ: 739-744
10.1016/j.bja.2023.07.022.
Anaesth Crit Care Pain Med.
巻: 42 ページ: 101281
10.1016/j.accpm.2023.101281.
J Cardiothorac Vasc Anesth.
巻: 37 ページ: 2057-2064
10.1053/j.jvca.2023.04.039.
巻: 42 ページ: 101206
10.1016/j.accpm.2023.101206.
Medicina
巻: 59 ページ: 2136
10.3390/medicina59122136.
Sci Rep
巻: 13 ページ: 17074
10.1038/s41598-023-43895-0.
Front Cardiovasc Med
巻: 10 ページ: 1093576.
10.3389/fcvm.2023.1093576.