研究課題/領域番号 |
23K08440
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
羽根 敦也 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (40967262)
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研究分担者 |
川本 英嗣 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20577415)
伊藤 亜紗実 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80740448)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | Met-Hb / ICUせん妄 / 白血球エキソソーム |
研究実績の概要 |
せん妄の病因には神経炎症、脳血管障害、脳代謝の変化など、複数の神経生物学的プロセスが関与している。我々は三重大学ICUに入室した過去5年間のおおよそ1万人の患者ビッグデータを深層学習により解析し、患者のメトヘモグロビン(Met-Hb)血中濃度とICUせん妄発症との正の相関関係を明らかにした。一方で重度のMet-Hb血症の患者では、脳の毛細血管内皮細胞のアポトーシスが引き起こされ、アストロサイト、グリア細胞、ニューロンの機能異常を引き起こすことが指摘されているが、メトヘモグロビン血症とICUせん妄の因果関係に関する分子メカニズムについての詳細はまだ明らかではない。 本研究では機械学習により得たヒトのMet-Hb濃度の上昇がICUせん妄リスク因子になることを踏まえ、「Met-Hbに暴露した白血球が放出するエキソソームが脳微小血管内皮細胞の細胞接着を亢進し、脳実質細胞のアポトーシスを誘導して、ICUせん妄を引き起こすというせん妄の発症メカニズム」を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者のメトヘモグロビン(Met-Hb)血中濃度とICUせん妄発症との正の相関関係を明らかにし、論文を作成し、現在は査読中である。
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今後の研究の推進方策 |
1万人のビッグデータでの解析を行い、論文を作成する。また、敗血症、熱傷、外傷などサブグループ回生気を行う事で、疾患の違いによりICUせん妄の引き起こすリスクに差があるか検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は主としてin slico解析を進めたため、実験費用が低額となった。次年度は動物実験を行う予定であり、今年度分の資金は次年度に使用する。
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