研究課題/領域番号 |
23K08452
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
鍬方 安行 関西医科大学, 医学部, 教授 (50273678)
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研究分担者 |
室谷 卓 関西医科大学, 医学部, 講師 (20528434)
池側 均 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80379198)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | sepsis / endotoxin / fear odors / splanchnic circulation / circulatory shock |
研究実績の概要 |
チアゾリン恐怖臭物質群のひとつである2-Methyl-2thiazoline(2MT)が実験的敗血症モデルにたいする昇圧効果・腸管循環維持効果を有することを自らの研究グループ が発見したことをうけ、2MTの敗血症ショックにたいする治療薬としての可能性を探索する。ミダゾラム、塩酸メデトミジン、ブトルファノールを用いる混合麻酔は変更なく実験を実施し、先行実験としてウサギにLPS(1㎎/kg)を投与し血液分布異常性ショックを再現し、2MT等の薬剤投与によって空腸粘膜組織血流を評価し、心室内圧容量測定を行うことによって2MTが循環に与える影響を評価する方針であったが、従来使用してきたLaser doppler scanが故障したために研究実施中断を余儀なくされた。2023年10月を新規機材を導入、11月より使用開始できたが、基準データ較正確認などに時間を費やすこととなった(費用の一部を備品として追加報告)。また、測定対象腸管絨毛上皮を拡大撮影できるマクロカメラも導入し、追加的測定を可能とした。結果として当初予定していた実験数を下回ることとなったが、さらに心・血行動態測定を圧容積関係から詳細に分析できるMPVS systemを追加導入し、測定手法を飛躍的に整備したうえで、敗血症ショック時の循環動態破綻メカニズムの解析を行うべく、実験系を確立中である。今後、予定していたLPS投与によるウサギ敗血症モデルへの2MTの至適投与量を探索してゆく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Laser doppler scanが予定外に故障し、業者による修理が不可能との判定をえた。このため、新たな機器(OMEGAZONE)を導入するとともに、実体顕微カメラ(GOKO Pro、備品追記)を購入し、あらたな測定環境を整えた。また、心・血行動態を心室内圧容積ループより解析できる機器(MPVS ULTRA)を導入、測定計の新機軸を確立した。Moor LDI故障による研究実施中断をへて、新たな測定環境のbaseline値測定を急いだ初年度計画となった。今後、予定していたLPS投与によるウサギ敗血症モデルへの2MTの至適投与量を探索してゆく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
新たな計測系の安定化をへて、血液分布異常性ショックモデルに対しウサギに対して1)コントロール群,2)LPS(1mg/kg)群, 3)2MT群,4)LPS+2MT群の4群を作成し、新規の Laser doppler scan、実態顕微カメラとMPVS systemを用いて、腸管組織血流の変化に加えて心力学的アプローチでの酸素運搬量/酸素消費量関係の実数化を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述した研究の遅延にともない、主として実験動物購入額が予定を下回った。2024年度には、不足した実験数を補って実施する予定なので、これらの繰越額はすべて充当することになる。
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