研究課題/領域番号 |
23K08476
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小島 将裕 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70721091)
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研究分担者 |
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 / 集中医療 / グラム染色 / 水素ガス |
研究実績の概要 |
重症患者では腸内細菌叢が急速に大きく変化し、患者の生命予後や腸炎・人工呼吸器関連肺炎などの合併症と関連していることが知られている。そのメカニズムについては現時点では不明なことも多いが、宿主の腸管壁のバリア能の低下が重症病態時にはあり、腸内細菌や腸管内の毒性物質が腸管壁を超えて組織内に流入する(Bacterial Translocation)ことが主たる要因ではないかと考えられている。 現状、腸内細菌叢の研究を行う際には培養法・PCR法・メタ16S解析・グラム染色があるが、それぞれに問題点がある。培養法は比較的安価であるものの特定の細菌しか評価できず、定量性や結果の迅速性は不十分で結果の解釈には特別な知識と技術が必要である。PCR法は定量性はよいが、高価であり特定の細菌しか評価できず検体の処理に特殊な技術が必要である。メタ16S解析は網羅的な腸内細菌叢の評価が可能であるが、高価であり定量性はなく、検体の処理に特殊な技術が必要である。グラム染色は非常に安価で簡便で結果の迅速性はあるが、腸内細菌の同定は不可能であり定量性は顕微鏡で見える範囲で大枠しか評価できない。現状では、得られた研究結果を臨床応用しようとすると、「費用」「簡便さ」「結果が得られるまでの時間」が主たる問題となる。そこで本研究はこれらの問題を解決すべく、細菌数カウンターとグラム染色を用いて、大腸内の腸内細菌叢を安価・簡便・迅速に評価可能な方法の開発を目指している。また、重症患者で頻繁に生じる腸管蠕動不全では、小腸内細菌増殖が生じていると想定される。この評価に呼気中の水素ガス測定が有用である可能性が報告されており、大腸だけでなく小腸も評価することで、腸管全体の健全度を指標化できる可能性がある。 現在は研究環境を整備しており、来年度からの症例登録を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究環境の整備に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
研究環境が整備出来次第、症例登録を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究環境の整備に時間を要しており、物品購入の時期が遅延しているため。研究環境が整備でき次第、研究に必要な物品を追加で購入し研究を開始する。
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