研究課題/領域番号 |
23K08485
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
雨宮 優 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別職務担当教員(助教) (40903307)
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研究分担者 |
梅村 穣 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター(臨床研究支援センター), 救急診療科, 医長 (20743561)
和田 剛志 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30455646)
中村 謙介 帝京大学, 医学部, 准教授 (50466760)
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
日下 裕介 大阪医科薬科大学, 医学部, 特別任命教員教授 (60636075)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ECMO / フォンウィルブランド病 / 後天性フォンウィルブランド病 / 体外循環 |
研究実績の概要 |
研究概要;本研究は、体外循環を受ける患者におけるフォンウィルブランド因子と線溶解析を用いて、出血リスクを予測し管理するためのアルゴリズムを開発することを目的としています。これにより、ECMO管理中の出血合併症を減少させ、患者の予後を改善することを目指しています。 研究進捗状況;検体収集;研究の初期段階として、体外循環を受ける患者からの採血検体を収集しました。現在、全体のサンプルサイズを目標とする患者症例の集積を進めております。パイロットテスト;数例のパイロットテストを開始し、初期データの取得を予定しています。これにより、データ収集および解析手法の妥当性と有効性を検討していきます。具体的には、フォンウィルブランド因子のレベルおよび線溶活性に関する基礎データを収集し、出血傾向との関連性を初期段階で評価する予定です。 今後の展望;アルゴリズムの改良;さらなる症例集積とデータ解析を進めることで、アルゴリズムの精度を向上させます。特に、フォンウィルブランド因子と線溶系のパラメータを詳細に解析し、個々の患者に適した出血リスク管理を行うための指針を確立します。臨床応用;完成したアルゴリズムを臨床現場での試験運用に移行し、その有効性を実証します。これにより、出血リスク管理の新たな標準を確立することを目指します。 結論 本研究は、体外循環患者における出血リスク管理の新しいアプローチを提供することを目指しており、初期段階としてのパイロットテストを開始しました。今後もデータ収集と解析を進め、実用的かつ効果的な出血管理アルゴリズムの開発を目指します。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅延の主な要因 症例数の不足;現在ECMO患者の入院数が年間5例以下程度にとどまっており、症例数の集積が遅延しております。それに伴い検体収集数が目標に到達しておりません。倫理審査の遅延;倫理委員会による審査が予想以上に時間を要し、研究開始の承認が遅れたことも、症例集積と検体収集の遅延につながりました。特に、厳密な倫理基準を満たすための追加資料の提出や修正が必要となり、手続きが長引きました。研究チームの人員不足;研究チーム内の人員不足も一因です。病院全体の人手不足により、予定していた人員を確保できない状況が続いています。これにより、検体の収集やデータの管理が滞り、研究の進行に遅れが生じています。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者の選定基準の見直し;対象患者の選定基準を再評価し、必要に応じて緩和することで、症例数の増加を図ります。これにより、症例集積のペースを向上させることを目指します。 協力病院の拡大;協力病院を増やすことで、症例数の不足を補います。新たな病院との連携を強化し、より多くの患者から検体を収集できる体制を整えます。研究スタッフの増員と教育;研究スタッフの増員を図り、また既存スタッフの教育を強化することで、効率的な検体収集とデータ管理を実現します。 倫理審査の迅速化;倫理審査プロセスを迅速化するために、倫理委員会との連携を強化し、必要な手続きを円滑に進めるための体制を整えます。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、体外循環を受ける患者の出血リスクを予測・管理するためのアルゴリズムを開発することを目的としています。研究を円滑に進めるため、以下の理由からPCと書籍を購入し、さらに検体の検査費用を計上する必要があります。 PCの購入;研究データの管理、解析、文書作成、オンライン会議などのために高性能なPCが必要です。特に、複雑な統計解析やデータベース管理を行うためには、高速な処理能力と大容量のストレージを備えたPCが不可欠です。これにより、データの迅速な処理と解析が可能となり、研究の効率を大幅に向上させることができます。書籍の購入;最新の医学文献や統計解析手法に関する専門書を購入することで、研究の精度と信頼性を高めることができます。検体の検査費用;収集した検体を分析するためには、高度な検査機器と専門的な技術が必要です。これには外部の専門機関への依頼が不可欠であり、その費用を計上する必要があります。具体的には、フォンウィルブランド因子および線溶系の解析を行うための試薬や機器使用料が含まれます。 使用計画;検体の検査費用使用計画;検体解析: 収集した患者検体のフォンウィルブランド因子および線溶解析を実施。外部委託: 高度な検査機器が必要な解析を専門機関に依頼。結果のデータベース化: 得られた検査結果をデータベース化し、アルゴリズム開発に利用。
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