研究課題/領域番号 |
23K08500
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
兼松 康久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90363142)
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研究分担者 |
多田 恵曜 徳島大学, 病院, 特任講師 (30547964)
高木 康志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40312227)
小山 広士 徳島大学, 病院, 特任助教 (50868586)
島田 健司 徳島大学, 病院, 講師 (60624351)
高麗 雅章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (60794013)
山口 泉 徳島大学, 病院, 特任助教 (70780005)
宮本 健志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (80585000)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 歯周病菌 / 破裂性脳動脈瘤 / Matrix metalloproteage / Inflammasome |
研究実績の概要 |
脳血管障害の内、脳梗塞は腸内細菌による影響が大きく、腸内細菌のgingipainによる影響が大きいと報告されている。一方、独自の臨床検討でも脳梗塞症例の血栓からは歯周病菌は検出されず、破裂性脳血管障害の脳動脈瘤では、歯周病菌による影響を受けることが明らかになり、歯周病菌の影響は脳血管障害の病態によって異なると思われた。 現在、脳動脈瘤破裂モデルを用いて歯周病菌の菌種別にどのように病態に影響するかについて影響を検討し、Pg菌の陽性率が一番高く、破裂例ではAa 菌の割合が比較的高いことを見出している。 これらの事象をモデル動物で検証し、発症機序の解明と予防策の構築に向けて取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳梗塞は腸内細菌による影響が大きく、腸内細菌のgingipainによる影響が大きいと報告されている。一方、独自の臨床検討でも脳梗塞の症例の血栓からは歯周病菌は検出されず、脳動脈瘤症例の血中では、歯周病菌が検出され、破裂性脳血管障害との関係性が明らかになり、歯周病菌の影響は脳血管障害の病態によって異なると思われた。 現在、脳動脈瘤破裂モデルを用いて歯周病菌の菌種別にどのように病態に影響するかについて影響を検討し、Pg菌の陽性率は病態に関係なく高いが、破裂例では特にAa 菌の割合が高いことを見出している。これらの事象をモデル動物で検証するために、Pg菌LPSおよびAa菌LPSを用いて発症機序の解明と予防策の構築に向けて取り組む予定である。 以上の事から、研究計画通りに進んでおり、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
歯周病の菌種による脳動脈瘤破裂への影響を明らかにし、その予防策を構築するために、モデル動物を用いて歯周病菌の違いによる病態への影響を検討する準備を進めている。まず脳動脈モデルにPg-LPSの投与の有無で検討するための用量や投与条件を決定するために血管壁の炎症性分子の変化をmRNAレベルで経時的に解析し、影響が観察される用量を決定する。ついで、影響が見られる炎症性分子やその他の関連分子への影響を遺伝子レベルおよび発現部位の免疫染色で観察する。更にこれらの影響を抑制するための治療標的を同定する検討を候補薬剤検討する。さらにAa-LPSによる影響を同様に評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展状況、継続に伴い、抗体などの試薬および動物購入経費および維持・管理費などの経費や、研究室の物品の利用等で予定より少額で賄えたため次年度使用額が生じた。 文献を入手しての計画の再検討などを行った。 次年度計画において、本年度分も合わせて集中的に進め、翌年度分として請求した研究費と合わせて、試薬等の物品費として使用する予定である。
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