研究課題/領域番号 |
23K08505
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
松田 良介 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60453164)
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研究分担者 |
中村 光利 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00305715)
中澤 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00772500)
森本 尭之 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20865563)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 髄膜腫 / NK細胞 / がん免疫 |
研究実績の概要 |
2023年度は、悪性髄膜腫細胞株、NK細胞の準備および、悪性髄膜腫細胞株とNK細胞の共培養実験を遂行した。悪性髄膜腫細胞株については、IOMM-Lee, (CRL-3370)、HKBMM (CBCL-8162)を用いた。NK細胞の培養は、健常人末梢血よりLymphoprepを用いた比重遠心分離法によって単核細胞を分離する。CD3 depletion kit (STEMCELL Tech社)を用いてCD3陽性細胞を除去した単核細胞を高濃度IL-2とIL-18を含むAIM-V培地に浮遊させ、抗NKp46抗体、抗CD16抗体をコーティンゲしたフラスコで培養を行った。以降、細胞の増幅培養に際してはIL-2含有AIM-V 培地にて増幅培養を行った。本方法を実施した場合のNK細胞の純度は90%以上であった。また各種悪性髄膜腫細胞株とヒト末梢血由来NK細胞を共培養し、RTCA S16 (ATCA社) を使用してリアルタイムで悪性髄膜腫細胞の増殖を検討した。 結果、HKBMMおよびIOMM-LEEの2種類の細胞株において、NK細胞は培養開始後3時間から48時間まで濃度依存性に抗腫瘍効果を発揮した。Flowcytometry解析において、NK細胞は両方の細胞株において、有意にアポトーシスを誘導していることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
悪性髄膜腫細胞株の培養およびNK細胞の培養は順調に進行している。 また、realtime cell analyzerおよびflowcytometryを用いた抗腫瘍効果の解析も順調に追行するすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度においては、悪性髄膜腫細胞株によるスフェロイド作成とスフェロイドに対するNK細胞の抗腫瘍効果の検証を行う。また、悪性髄膜腫細胞株を高度免疫不全マウスの脳内に移植し、NK細胞を投与することにより、生存期間の延長がみられるかどうかを検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定通り実験自体は遂行できているが、学会発表が少なかったため、残額が生じている。 次年度以降学会発表を積極的に行っていく予定である。
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