研究課題/領域番号 |
23K08594
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山中 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30597084)
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研究分担者 |
西尾 尚子 和歌山県立医科大学, 医学部, 特別研究員 (40648359)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 前帯状皮質 / ケタミン / ケタミン代謝物質 / 疼痛抑制 / 抗不安作用 / 慢性疼痛 |
研究実績の概要 |
C57BLマウスの前帯状皮質(ACC)に経頭蓋的カニューラを設置後7日目に行動実験を行った。実験15分前にガイドカニューレより0.7mm短い30G注射針を装着したハミルトン注射器を用いて、薬液をマイクロインジェクション(0.5 μL/side、1分以上かけて)を行った。神経障害性モデル群とSham群に生理食塩水、ケタミンおよびケタミン代謝物のマイクロインジェクション投与前後でvon Frey test、Hot plate testを用いて疼痛行動学的解析、高架十字迷路(EPM test)を用いて不安様行動の解析を行った。また、行動学試験の後、使用したすべてのマウス脳スライス標本を作製し、注射部位を確認した。 結果は、von Frey testおよびHot plate testともにケタミンおよびケタミン代謝物質投与群が神経障害性モデルラットにおいて有意差をもって疼痛改善を示した。また、EPM testでは神経障害性モデルラットへのケタミンおよびケタミン代謝物質投与群は生食群と同様の行動結果が得られ、不安様行動が有意に改善された。以上より、ケタミンおよびケタミン代謝物質は慢性疼痛における疼痛抑制作用及び不安改善作用を有することが明らかとなった。今後は、情動に関わる島皮質においても電気生理学的実験を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
和歌山県立医科大学大学院及びトロント大学生理学講座にて行動学的研究を重ね、記録を取ることが可能である。また、カニュレーションの手技には習熟しており、薬理学的検討に対しても行うことができる。ただし、基礎研究に当てる時間が限られていることから当初の研究計画以上には進行していない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に沿って2023、2024年度分に関しての研究を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内および国際学会発表がまだ行っていないこと。また、マウスの購入費、維持費が少なく済んだことなどがあげられる。今後は行動実験器具を購入する予定である。
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