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2023 年度 実施状況報告書

骨粗鬆症の予防および改善に有効な新規機能性分子の探索と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K08598
研究機関関西医科大学

研究代表者

村上 由希  関西医科大学, 医学部, 講師 (50580106)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード漢方薬 / 骨粗鬆症治療 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 骨代謝調整
研究実績の概要

超高齢社会における健康寿命の延伸に向けた取組みとして、骨粗鬆症の一次予防が喫緊の課題である。吸収と形成のバランス維持による骨代謝の正常化が骨の健康に重要であるが、骨代謝を調節する分子は十分に解明されていない。近年、漢方製剤は骨粗鬆症の予防治療において、低毒性、安全性、高効率、多標的、全体調節を利点として、顕著な治療効果を有することが臨床実証され、骨代謝に寄与する未同定の生理活性分子が多く存在することが期待される。そこで、本研究では漢方製剤のもつ骨代謝関連シグナル経路の調節メカニズムを明らかにすることを目的とする。
作用機序を解明するために骨代謝を制御する破骨細胞や骨芽細胞の分化や機能へ及ぼす影響を細胞から個体レベルで明らかにする。さらに、有効性の高い単一の機能性分子を同定することで、骨恒常性を制御する分子基盤の解明を目指す。
現在までに候補漢方製剤の6つのうち、Raw細胞を用いて、破骨細胞分化に対する影響を検討した。その結果、温経湯ならびに加味逍遙散が高い抑制能を持つことを明らかにした。またMC3T3-E1細胞を用いて骨芽細胞分化について同様に影響を調べたところ、加味逍遙散は濃度が低いほど、分化抑制能が高いことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

候補漢方製剤のうち、温経湯ならびに加味逍遙散が破骨細胞分化に対して、高い抑制能を持つことを明らかにした。骨芽細胞分化について同様に影響を調べたところ、加味逍遙散は濃度が低いほど、分化抑制能が高いことが明らかになった。さらにRANKL誘発性骨吸収モデルを用いて骨量の回復について検討したところ、温経湯投与によって、骨量の回復が促進されていた。現在、同様に加味逍遙散についても解析を進めており、概ね計画通り進行している。

今後の研究の推進方策

候補漢方薬のうち、骨代謝への影響が大きかった温経湯ならびに加味逍遙散において、共通で含まれている生薬を比較し、生薬の効果について検討を進める。また他の候補漢方薬についても同様の解析を進めていく予定である。今後は、機能性分子の同定に向けて、活性画分にも着目した解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度、実施を計画していた動物実験の匹数が動物室のスペースの関係上、実施出来ていないため差額が生じた。また培養に必要なウシ血清は以前購入していたものがあり、購入予定であったが、購入しなかった。さらに研究協力者である岡山大学の大野先生が国際共同研究により国外へ短期滞在していたため、打ち合わせがZoomでのオンラインとなり、旅費が不要であった。
次年度以降、効率よく動物室を活用し、今年度よりも精力的に動物実験を行う。また培養に必要なウシ血清等はStockがなくなりつつあるため、購入する。さらに研究協力者とも対面での密な打ち合わせを行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 婦人科処方漢方薬の骨形成に対する影響2023

    • 著者名/発表者名
      木村貴博 村上由希 細見亮太 下埜敬紀 神田靖士 西山利正
    • 学会等名
      第42回 産婦人科漢方研究会
  • [学会発表] 婦人科処方漢方薬の温経湯、加味逍遙散の骨形成に対する影響2023

    • 著者名/発表者名
      木村貴博 村上由希 細見亮太 下埜敬紀 神田靖士 西山利正
    • 学会等名
      第32回 日本健康医学会総会

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公開日: 2024-12-25  

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