研究課題/領域番号 |
23K08641
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
植田 成実 関西医科大学, 医学部, 助教 (30632757)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バイオフィルム / LAMP法 / PCR / インプラント周囲感染・人工関節周囲感染 / NGS / 薬剤耐性遺伝子 / pbp3 / メチシリン耐性遺伝子 |
研究実績の概要 |
定量 PCRを行なった 300検体の整形外科インプラント、腱・滑膜・骨などの保存超音波処 理残液 (DNA)の検証を行う目的で、NGSによる 364薬剤耐性遺伝子と 21種類の特定細菌種検出および細菌叢と薬剤耐性遺伝子の解析、臨床経過や培養検査結果、抗菌薬感受性結果、臨床成績 や治療抗菌薬に関し検討を開始した。 細菌および真菌検出を目的とし、細菌の 16SrDNA可変領域 (8F-338R)を標的にしたプライマーを用いた検討とあわせて NGSによる細菌や薬剤耐性の存在を明らかにすることを目的として検討を行った。Ion Torrent Genexus Integrated Sequencerによるリサーチパネルを用いたpool1にてDrug resistance genes (364 genes), Bacteria (species level; 21 bacteria)を行い、pool2にて16srDNAV1-2領域(8F-338)による属レベルを中心とした検討を行った。過去の人工関節周囲感染においてブドウ球菌の複数菌感染による症例の14検体を用いた検討では、PCG感受性を認めたMSSAの検出検体において、他のMSSAが検出された検体と比べ、pbp3の値が高かった検体におけるMSSAではPCGの感受性を認め、その他検体でpbp3の値が少なかった検体から検出されたMSSAでPCGに耐性を認めた。この結果よりMRSAに代表されるmecA以外に、最近の薬剤耐性はその他の耐性遺伝子の関連性があるため、mecA以外の薬剤耐性遺伝子の検出や、培養検査でえられた細菌の薬剤感受性を比較する必要性があきらかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リサーチパネルを用いた検討で、シーケンスのPCR条件などの検討が必要であった。 現在まで、同一の検体で複数回検討し、精度を検討し、条件検討を行っていた。
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今後の研究の推進方策 |
mecA以外の薬剤耐性遺伝子の検出や、培養検査でえられた細菌の薬剤感受性を比較する必要性があきらかになった。しかし、検体の最近定量結果で検体間でことなる結果となっており、薬剤耐性遺伝子の検出に関しても定量的評価が必要と考えられた。最近定量の評価をおこないつつ、特に感染を中心とし、培養検査にて検出を認める検体に焦点をあて、検討をすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の残がでたことで購入をみあわせていたものがあり、また、2023年度の研究結果より、問題を検証する検証用試薬(パネルキット)が2024年度に発売されることになったため。
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