研究課題
研究1.人工股関節の小型化について、スモールサイズの「ミルフィー」は、医療機器承認に要求される強度試験( ISO7206-4 とISO7206-6)をクリアし、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の承認を得て実用化に成功した。令和6年3月から社会実装されている。研究2.表面加工の最適化については、手術後の感染症のために抜去した、ヒト検体での摘出インプラントにおける金属表面への骨新生を認め、症例報告した。研究3に関して、研究3-1.携帯型手術台「ルキュア」の安全装置については、手術補助台をベルトで固定する機構を発明し特許を出願中である。研究3-2.最小侵襲手術に適した手術支援ツールの開発については、第二世代の手術器械を設計し、金属製の試作品を製作中である。研究3-3.術前術後の三次元シミュレーションについては、CTデータから健常側の股関節の可動域と人工股関節側の可動域を予測し、脚長差とオフセット長差を維持しつつ健常側と同等の可動域を実現するパラメーターに関して学会発表を行い、英語論文を作成中である。術後骨とインプラントの接触面積は従来の分類法の課題を解決した修正分類を考案し、「ミルフィー」とその他の機種で比較した学会発表を行い、英語論文を作成中である。研究4-1.手術成績の検証については、大腿骨頭壊死症の診断から手術までの期間が中央値9ヵ月であることを英語論文で公表した(BMJ Open 2024)。携帯型手術台「ルキュア」を用いた仰臥位前方法による人工股関節置換術の5年成績を英語論文に投稿中である。また、人工股関節置換術の脱臼率とリスク因子の解析について学会発表を行い、英語論文を作成中である。研究5は、MRIにより股関節伸展・外旋位で大腿神経と血管束位置が外側に偏位する動態を可視化し、英語論文で公表した(BMC Musculoskelet Disord. 2023)。
2: おおむね順調に進展している
初年度に予定した研究は順調に行なえており、それらの結果は英語論文にまとめられているため。
研究1は目標を達成した。有限要素解析と強度試験の結果を英語論文で公表する。研究2は症例報告を英語論文で公表する。研究3-1は目標を達成した。研究3-2は試作品の検証を行い、医療機器申請を行う。研究3-3は得られた結果を英語論文で公表し、さらに発展させる。研究4-1はサブ解析をまとめる。研究4-2は電子ポケット線量計を購入し、手術中の被曝線量を計測する。研究5はMRIとその他のモダリティの比較を行う。
研究室に既存の消耗品を使用することができたため、次年度使用額が生じた。次年度は繰越金を含めて、研究1及び研究2に使用する試作品製作費、旅費として成果発表のために国内旅費及び外国旅費、謝金として研究補助、その他として外国語論文の校閲費及び研究成果投稿料に執行する予定である。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
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