研究課題/領域番号 |
23K08695
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
関 庄二 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (00432112)
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研究分担者 |
牧野 紘士 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (50816022)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | .脊椎椎間板 / c-fos/AP-1 / CILP / 椎間板再生 / sc-RNA seq / iPS細胞 / 線維輪細胞 / 髄核細胞 |
研究実績の概要 |
特発性側弯症は、乳幼児~思春期に発症する背骨の曲がる病気で、発症頻度は約2%である。腰痛、神経障害、呼吸器障害が出現し、生命予後に影響する。申請者らは、側弯症の病態を解明するため、これまで、破骨細胞由来のTRACP-5b (Tartrate-resistant Acid Phosphatase 5)がCobb角と相関することを見出し、患者血漿サンプルを用いて2D-DIGE(2 Dimensional Fluorescence Difference Gel Electrophoresis)法を用い、vitamin D binding protein (DBP)が発症に関係している可能性を報告した (BMC Musculoskelet Disord. 2019)。我々は、正常人より側弯症患者群で黄色靭帯が有意に高くなっていることを突き止め報告した(IJMS 2022)。さらにその黄色靭帯の肥厚は、側弯凸側で多く見られることや、黄色靭帯の凹側と凸側の遺伝子解析の結果から数個の遺伝子の関与が示唆された。その中でもメカニカルストレスなどにより側弯症凸側でERC2やMAFBといった遺伝子が上昇していることが、マイクロアレイ分析によって同定された。さらにそれらの遺伝子はTGF、IL-6、CCNといったサイトカインを上昇させることで、コラーゲンやECM proteinの発現が上昇することで、黄色靭帯肥厚を引き起こしているという事実を突き止めた。これらの黄色靭帯肥厚により脊椎後方の支持組織が硬くなることでより、前方の椎体のovergrowthが促進し、側弯が進行する可能性を突き止めた。 一方椎間板線維輪の再生も同時に行っている。正常な椎間板(側弯症患者由来の)を採取したのちにコラゲナーゼ処理を行い、線維輪細胞を増やして、候補遺伝子を導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究の引き続きであり、側弯症患者の黄色靭帯の遺伝子同定や、さらなる解析も順調に進んでいる。 現在線維輪の再生にもとりかかり、再生に必要な遺伝子を絞り込むところまでは成功している。さらに再生された線維輪の評価を、遺伝子学的に問題ないかどうかを現在行っている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、側弯症患者の黄色靭帯の遺伝子同定や、さらなる解析をすすめ、 線維輪の再生にもとりかかり、再生に必要な遺伝子をさらに絞り込めていくようにする。 その後、再生された線維輪の評価を遺伝子学的に問題ないかどうかさらに検証していくようにする。
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