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2023 年度 実施状況報告書

低活動膀胱の可逆性を予測する診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K08709
研究機関東北大学

研究代表者

川守田 直樹  東北大学, 大学病院, 講師 (00617524)

研究分担者 伊藤 明宏  東北大学, 医学系研究科, 教授 (70344661)
佐竹 洋平  東北大学, 大学病院, 助教 (70783984)
川崎 芳英  東北大学, 大学病院, 講師 (80722256)
佐藤 琢磨  東北大学, 大学病院, 助教 (80804856)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード低活動膀胱 / 神経因性膀胱
研究実績の概要

子宮頚癌に対する、広汎子宮全摘術に代表される骨盤内臓器手術はしばしば膀胱を支配する自律神経の障害を生じ、排尿障害を引き起こす。膀胱の自律神経障害(神経因生膀胱)により排尿ができない状態となり、患者が尿を排出するカテーテルを尿道より挿入し排尿する、導尿を間欠的に行う必要がある。手術による神経因性膀胱は経時的に回復する場合も多いが、導尿をせず膀胱に過剰に蓄尿された状態が続くと膀胱壁の虚血となり、機能改善に悪影響をきたす。しかしながら、現在は膀胱機能の改善を予測する因子がなく、患者が導尿を適切にできているか、いつまで続ければ回復するのか予測不能である。
そこで、1)骨盤神経損傷の神経因性動物モデルを作成し、膀胱機能の改善を予測するバイオマーカーの探索と、2)臨床患者で膀胱機能の改善を予測する特徴を膀胱機能尿流動態検査で得られた多角的パラメーターの経時変化より探索する研究を立案した。
今年度は、1)急性期の神経因性膀胱ラットモデル(一時自排尿不能となるも再度排尿機能を獲得する)を作成するための、骨盤神経の損傷方法、損傷の強度の条件設定を行った。複数の条件設定で膀胱機能を経時的に評価した結果、ラットの骨盤内臓器手術後の神経因性膀胱モデルを作成しつつある。2)については、「骨盤内早期術後排尿機能障害の機能回復に関する観察研究」を立案し、倫理委員会の承認を得た。そして、子宮頸癌患者で子宮癌の手術治療予定の患者に説明と同意を得たのち、これら患者の排尿障害診療における膀胱機能・血液・尿検査データの蓄積を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は、基礎実験においてラットの病態モデルを作成すること。臨床研究では、研究計画の倫理委員会での承認を得たのち、臨床データの蓄積を行う予定であった。そのため、計画はおおむね順調に推移しているとした。

今後の研究の推進方策

次年度は、ラットの病態モデルを用いて、膀胱内圧測定を経時的に行い膀胱機能障害の改善の特徴をつかむとともに、尿試料より、機能障害の重症度に関連したパラメーターを、マイクロアレイ解析により探索する。また、臨床研究では、引き続き骨盤内臓器手術の患者の組み入れを行い、膀胱機能の尿流動態機能検査、血液・尿試料の収集を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は病態モデルラットの作成にかかるラットの購入費と、ラットの膀胱機能検査にかかる薬品、消耗品に主に使用した。そのため、分子生物学的評価に関連する比較的高価なキットや、試薬などの使用がなかったため、25万円ほどの残額が発生した。しかしながら、次年度以降は、分子生物学的評価に加え、ラット病態モデルの尿中マーカーの探索のために、マイクロアレイ検査などを予定しているためそちらの費用に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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