研究課題/領域番号 |
23K08724
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
梅田 浩太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (20868260)
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研究分担者 |
大家 基嗣 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00213885)
田中 伸之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60445244)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | lncRNA / 膀胱がん / ペムブロリズマブ |
研究実績の概要 |
Long non-coding RNA (lncRNA)は200塩基以上のncRNAの総称で、生体内でRNA結合タンパク質と結合し、様々な生理活性を有する。本研究は、ハイスループットな新規RNA detection system:quantitative in situ hybridization chain reaction (qHCR)と最新の膨張顕微鏡法を組み合わせることで、膀胱がんlncRNAの発現や細胞内局在を定量的・三次元で可視化して機能解析を進めることを目的とした。 免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブは、2017年より保険適応となり、広く投与されるようになってきているが、効かない症例や耐性がみられる症例がみられている。lncRNAと膀胱がんとの関連のなかで、とりわけ実臨床での喫緊の課題であるペムブロリズマブとの関わりにより重点をおいた。 ペムブロリズマブ投与前後での検体がある9例において、剖検した症例を中心に88か所に及ぶDNAやRNAの抽出を行い、次世代シークエンスで遺伝子変異解析及びトランスクリプトーム解析を行っている。複数のサブクローンを特定し、その関連を解析し、実際に免疫染色レベルで発現を再現できることを示した。また、パブリックデータにおいてもサブクローンと予後の関連を確認した。 また、免疫チェックポイント阻害薬の適応が広がり、免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブは、2022年に尿路上皮癌における術後補助療法として保険適応となった。膀胱がんに対して膀胱全摘除術を施行した118例のデータベースを作成し、術後補助療法としてのニボルマブの有効性や有用なバイオマーカーについて検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画2「膀胱がん検体のDNA変異とlncRNA発現の関連」の遺伝子解析を本年度は先行しており、計画1「膀胱がんlncRNAと予後・腫瘍免疫微小環境の検討」に遅れがみられているため。
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今後の研究の推進方策 |
計画1に基づいてlncRNAの細胞内局在を明らかにしていく。また、先行している計画2についてはlncRNA発現との関連を中心に解析を更にすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存の試薬を用いることで、想定よりはコストはかからなかった。また、研究計画に遅れが生じており、予定よりも使用した試薬が少なくなった。その為、次年度使用額が生じた。 次年度は、検体をqHCRに多くかける予定の為、試薬の購入費用といった経費がかさむと想定される。
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