研究課題/領域番号 |
23K08748
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
吉田 薫 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授 (70398973)
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研究分担者 |
河野 菜摘子 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00451691)
吉田 学 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60301785)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 精子膜プロテアーゼ |
研究実績の概要 |
精子の受精能獲得過程において、精子膜からのコレステロールの流出がその重要なひとつのステップであることは周知の事実であるが、その制御機構についてはほとんど明らかになっていない。我々は、精子を取り巻く精漿に含まれる精嚢分泌タンパク質SEMG/SVS2がこのコレステロールの流出を介したin vivoでの受精能獲得に重要な役割を果たすことを明らかにしてきたが、その作用機序の全貌は未だ不明である。本研究では、精嚢分泌タンパク質SEMG/SVS2が精子膜に特異的に集積し、精子受精能を調節する現象に着目し、これがアミロイドーシス発症機構と類似した生理的機構で調節されている可能性を念頭に、その集積-分解-解離の分子機構解明に取り組んでいる。2023年度はSVS2の精子による分解産物を検討することによって、SVS2を基質とする精子膜のプロテアーゼを明らかにすることを試みた。その結果、SVS2は精子が有するセリンプロテアーゼによって分解されることが判明した。精子によって分解されたSVS2断片をLC-MS/MSに供することで、高スコアのアミノ酸配列を得た。さらに、AlphaFoldやSMARTを用いてSVS2において構造的特徴(αヘリックス、βシート、リピート配列)のあるアミノ酸配列を特定した。これらの情報を参考に、6種類のSVS2ペプチドを決定し、合成した。今後は合成したSVS2ペプチドが精子に対してどのような機能を有しているか、詳細に解析していく予定である。また、マウス精子のセリンプロテアーゼについてはデータマイニングも使用して、候補遺伝子の特定に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SVS2を基質とする精子のプロテアーゼがその基質特異性からセリンプロテアーゼであることは判明したが、その同定には至っていないため、やや遅れているとした。その他は計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はゲノムデータおよびRNAseqデータ等のデータマイニングにより、精子膜に発現するセリンプロテアーぜの同定を試みる。候補については先ずin vitroでSVS2の消化を試みる。これまでに明らかとなったSVS2分解ペプチド6種類についてはそれぞれの受精能獲得過程に対する影響を検討する。また、これらが精子膜上に集積する経路を明らかにするために、アミロイドーシス様の作用が見られるかどうか、集積物の染色等で明らかにする。
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