研究課題/領域番号 |
23K08813
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
本村 健一郎 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 研究員 (00724329)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 細胞性栄養膜細胞 / 胎盤 / 妊娠 / 妊娠合併症 |
研究実績の概要 |
胎盤の絨毛に存在する細胞性栄養膜細胞は、胎盤最大の機能細胞である合胞体栄養膜細胞の前駆細胞として胎盤機能の維持を担う。しかし、細胞性栄養膜細胞の機能の詳細や、疾患とのかかわりはまだ明らかになっていない。本研究計画は、満期胎盤から高純度で分離したヒト細胞性栄養膜細胞をSingle cell RNA-sequencing、Flow cytometryを用いて解析し、新たなPhenotyping方法を確立することを目的とする。 今年度は、解析対象とする臨床検体の収集およびSingle cell RNA seqを実施した。今回のSingle cell RNA seqには、10 x Single Cell RNA flex kitを用いた。そのため、初めに細胞固定や細胞カウント方法などの実験条件を細胞性栄養膜細胞に合うよう最適化した。また、解析できる検体数が限られているため、今後のPhenotypingに最適と考えられる検体の選定を行った。さらに、Single cell RNA flex kitはprobe baseの遺伝子発現解析を実施するため、解析系のプローブライブラリーに含まれていない遺伝子のカスタムプローブを作成した。以上の実験セットアップを行った後、Single cell RNA seqを実施した。現在Sequencingまで完了し、データ解析を行っている。 また、今後の計画をスムーズに進めるため、Single cell RNA seqに使用する以外の臨床検体の収集を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Single cell RNA seqに使用する臨床検体の収集がスムーズに進んだため。また、所属施設内でSingle cell RNA seqの実施に豊富な経験のある研究者と共同研究で進めたため。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には当初の予定通り検討を進めていく。まずSingle cell RNA seqのデータ解析を進め、遺伝子発現による細胞性栄養膜細胞のPhenotypingを行う。続いて、マーカー候補となる遺伝子をピックアップし、Flow cytometryによる解析の条件検討を開始する。 臨床検体収集は引き続き実施し、Flow cytometryによる解析の条件検討に使用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬購入費用の残額がわずかに発生した。こちらは次年度予算に組み込んで、試薬購入費用として適切に使用する予定である。
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