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2023 年度 実施状況報告書

リキッドバイオプシー検体のメチル化解析によるHPV関連中咽頭癌の個別化治療の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K08968
研究機関自治医科大学

研究代表者

金澤 丈治  自治医科大学, 医学部, 教授 (20336374)

研究分担者 佐々木 徹  自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50332614)
内田 晶子  自治医科大学, 医学部, 助教 (70866889)
三澤 清  浜松医科大学, 医学部, 教授 (90334979)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードHPV関連中咽頭癌 / リキッドバイオプシー / 個別化治療 / DNAメチル化
研究実績の概要

個別化医療が注目される中、リキッドバイオプシーを用いて腫瘍循環細胞や腫瘍循環DNA(circulating tumor DNA:ctDNA)を高感度かつ高精度で分析する手法が開発され、肺癌などで一部、臨床応用されている。最近、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)関連中咽頭癌において、ctDNAのHPV解析により腫瘍の残存や再発予測を行うことができることが報告され、HPV関連中咽頭癌でも病勢に合わせた最適な個別化治療の実現が期待されている。この一方、リキッドバイオプシーの精度向上にはHPVの存在だけではなく、バイオマーカーの確立も必須である。本研究グループは、HPV関連中咽頭癌のctDNAからのHPV検出に加え、予後と関連するメチル化マーカーの同定を行い、治療前後から再発転移を含む経時的な臨床経過との関連を報告した。今回、私達はこれまでの研究結果から、多施設による前向き研究をおこない、治療効果・予後予測に関わるHPV関連中咽頭癌のバイオマーカーを確立したいと考えている。
本研究は、これまでの私達のリキッドバイオプシー研究とメチル化解析の経験を活かし、リキッドバイオプシーによりHPV関連中咽頭癌のリアルタイムに病勢を確認できるバイオマーカーの確立を目的としている。以下の3点に独自性、創造性がある。
①HPV関連中咽頭癌の有効なバイオマーカー確立のためctDNA-メチル化解析を行う点。
②自治医大、浜松医大、癌研有明病院の多施設共同で研究を行う点。
③HPV関連中咽頭癌の、個別化医療の実現が期待できる点。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1. 当初の予想より症例の集積が遅れているため.
2. 腫瘍循環細胞や腫瘍循環DNAでの候補遺伝子のメチル化解析がやや不安定で解析法に若干の修正が必要になったため

今後の研究の推進方策

先行研究で有効性を認めた3遺伝子(CALML5、 DNAJC5G、 LY6D)のctDNA-メチル化解析を行う。抽出された約200ngのctDNAのうち、20ngのctDNAをメチル化解析のためにバイサルファイト処理を行う。そののちCALML5、 DNAJC5GおよびLY6D用のプライマーによるリアルタイムPCR法でメチル化解析を行う。バイサルファイト処理は3時間、リアルタイムPCR法でのメチル化解析は、3遺伝子同時に行って1時間30分で終了する。自治医大、浜松医大の症例は、それぞれの施設で解析を行うが,癌研有明の症例は、採血、遠心したのち血漿を凍結して自治医大に郵送し解析する。3施設にて、計100症例に対し、平均5回のリキッドバイオプシーとして、全体で500サンプルを収集する予定である。最終的に、連結不可能匿名化された臨床情報とメチル化解析の結果を解析する。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画に比較して症例数の確保及び採取DNAのメチル化解析手技の確立に時間を要しており研究が遅れている.今後は共同研究他施設の協力も得ながら迅速な研究遂行に努める予定.

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公開日: 2024-12-25  

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