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2023 年度 実施状況報告書

Tubarial Glandの基礎形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K08969
研究機関山形大学

研究代表者

川岸 久太郎  山形大学, 医学部, 教授 (40313845)

研究分担者 宮宗 秀伸  国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (80422252)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードTubarial gland / 咽頭鼻部 / 咽頭扁桃 / 耳管扁桃 / 交感神経
研究実績の概要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査において鼻咽頭ぬぐい液が使用されることが多いが、2020年に鼻腔後方に連続する鼻咽頭において両側外側壁に有対性に存在す
る腺組織(Tubarial glands)の存在が報告され、新たな大唾液腺ではないかとされた。しかし鼻咽頭は一般的に消化器官では無く、上気道の一部として呼吸上皮が覆っているとされている。また、Tubalial glandsが存在するとされる部位には耳管扁桃や咽頭扁桃が存在し、Tubalial glandsが免疫系と密接な関係を有していることが推察される。
本研究では鼻咽頭に存在するTubalial galndsの正確な構造と機能、上皮や免疫器官との位置関係、および神経支配を明らかとすることを目的としている。
このため、我々はヒトにおける鼻咽頭の腺構造とリンパ組織の位置関係を明らかにするために、ヒト解剖体から摘出した鼻咽頭の組織の薄切連続切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色によりその重なりを観察した。
この結果、ヒト鼻咽頭では呼吸上皮がモザイク状に重層扁平上皮に変化していくが、Tubarial glandと咽頭のリンパ組織は呼吸上皮の下にしか存在せず、それにもかかわらず重なる部分が少ない点やリンパ組織である咽頭扁桃と耳管扁桃の構造は個人差が大きく、連続することも多いことが明らかとなっている。また、咽頭前壁にも一部リンパ組織と腺組織が存在することも明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

国際医療福祉大学では、倫理委員会の承認のもと、解剖実習で用いられたヒト解剖体24体から鼻咽頭の標本採取が行われており、その内6体の連続切片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色による腺組織とリンパ組織の分布の解析が行われている。今後、腺組織やリンパ組織の認められた切片で、交感神経節後線維を同定するために、抗Tyrosine Hydroxylase抗体や抗Dopamine β Hydroxylase抗体を用いた免疫組織化学染色を行う予定である。
なお、主研究者は2023年10月に山形大学医学部に異動したことにより、再度倫理審査が必要となり、今後、標本数を増加させるための試料採取と標本作成の必要が出ており、その点については多少の遅れが認められる。

今後の研究の推進方策

山形大学医学部の倫理委員会承認のもと、山形大学医学部における解剖実習で用いられたヒト解剖体より、引き続き咽頭後壁の摘出を行い、標本数を増加させるとともに、咽頭後壁の薄切連続切片の作成も行う。
また上皮におけるTubarial glandと、リンパ組織の占める表面積を測定するために、Keyence BZ7000顕微鏡を用いて写真撮影を行い、画像解析を行う予定である。
加えて、交感神経節後神経戦に分布を明らかにするために、抗Tyrosine Hydroxylase抗体や抗Dopamine β Hydroxylase抗体を用いた免疫組織化学染色を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

主研究者は2023年10月に山形大学医学部に異動したことにより、前任校での予算執行を抑制したことと、研究費の移管に時間がかかり、執行が遅れたことが原因である。
本年度は標本採取数がほぼ倍増するため、また免疫組織化学染色を進めるための試薬の購入等で昨年度分と合わせて執行額が増加する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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