研究課題/領域番号 |
23K08999
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
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研究分担者 |
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10375298)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
鈴木 健介 関西医科大学, 医学部, 准教授 (80533182)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / 加齢性難聴 / 老化促進モデルマウス / 免疫若返り / 酸化ストレス / 蝸牛 / 慢性炎症 / oxi-inflamm-aging |
研究実績の概要 |
高齢者の人口は増加しているが、加齢性難聴の予防法はいまだ確立していない。早期老化・老人性難聴モデルマウスSAMP1を用いた加齢性難聴の予防は、将来的に臨床応用できる可能性がある。 2023年度は当科研費1年目にあたる。SAMP1は5か月齢から難聴が進行するため、研究計画では、難聴発症前の4か月齢から定期的な胸腺移植や骨髄移植を行い、レシピエントが12か月齢となった時点で2か月齢、5か月のSAMP1とともにアッセイを行う予定であった。そのため、レシピエントとなるSAMP1を購入、飼育し、経時的な聴力検査(聴性脳幹反応:ABR)を行った。ドナーとなるSAMP1を購入し、同系胎児胸腺の移植や同系若齢骨髄の移植を定期的に行った。レシピエントが12か月齢になった時点で、全マウスのABR、リンパ球増殖能検査、リンパ球のフローサイトメトリー、血清採取、蝸牛や脳、肝臓、胸腺、胎児胸腺が移植された腎臓の組織採取などを行った。 結果について、リンパ球増殖能検査では12か月齢ネガティブコントロール群のバックグラウンドが高かったためか、胸腺移植群、骨髄移植群、胸腺移植骨髄移植群と2か月齢、5か月齢、12か月齢いずれとも有意差を認めなかった。しかし、ABRでは2か月齢、5か月齢、12か月齢で認められる加齢性の聴力低下が、胸腺移植群、骨髄移植群、それら両方を行った群で有意に抑制されており、予想した結果であった。 その他、組織学的検討などは現在実験を進めている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの飼育を開始し、アッセイに至るまでに10か月がかかる。2023年度は予定通りマウスに胸腺移植や骨髄移植を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、血清のNO assay、腎被膜下の胸腺組織の生着確認、蝸牛の組織学的検討、固形臓器の老化細胞染色、qPCRでの炎症関連遺伝子の検索を行う。また、日本耳科学会(10月)での学会発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はマウス老化を待つことが多く、次年度以降、試薬などの必要性が高まる。そのため、必要以上に物品を購入しないよう調整したため。
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