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2023 年度 実施状況報告書

STING経路に着目した滲出型加齢黄斑変性の網膜下線維化の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K09055
研究機関東北大学

研究代表者

安田 正幸  東北大学, 大学病院, 助教 (00569585)

研究分担者 俵山 寛司  東北大学, 医学系研究科, 助教 (20402414)
佐藤 孝太  東北大学, 医学系研究科, 助教 (50732327)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード加齢黄斑変性 / STING / 酸化ストレス
研究実績の概要

滲出型加齢黄斑変性(nAMD) は抗VEGF 療法の登場により、良好な視力維持を得られる症例が増えたが、網膜下線維性瘢痕が形成されるとたとえ抗VEGF 療法を継続しても重篤な視力障害を来しうる。現在、nAMD の線維化抑制治療は確立されておらずアンメットメディカルニーズが高い。
本研究は、網膜下線維性瘢痕の病態を解明し、新たな治療法を確立することを目的として研究を行っている。2023年度は東北大学眼科外来を受診したnAMD患者100数十例の臨床データベースを構築した。OCTといった眼科的検査だけでなく、nAMD患者から血液を採取し、CFH遺伝子やSTING経路のタンパク質解析のための試料も蓄積した。さらに、血液の酸化ストレス測定も行った。酸化ストレス測定にはフリーラジカル解析装置(FREE carpe diem、ウィスマー社)を用い、全身の酸化ストレス度 (dROM)値と抗酸化能(BAP)値を測定した。レーザースペックルフローグラフィ(LSFG)による眼血流評価も行った。現在、網膜下線維化の評価を進めており、上述した様々なパラメータと網膜線維化の関連の検討を進める予定である。なお、2023年度は、フレア値の抗VEGF薬治療後の眼内炎症の関連を報告した。抗VEGF薬は眼血流低下を引き起こしうるが、薬剤によってその影響の大きさが異なる可能性があることを報告した。これらのパラメータと線維化の関連も検討する予定である。
基礎研究においては、既報に則り、野生型マウスの網膜に二段階でレーザーを照射し網膜下線維化を誘導するマウスモデルを確立した。現在、免疫染色で目標とするタンパクの同定を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床研究においては順調にnAMD患者の症例蓄積が進んでいるがさらなる増加が必要である。基礎研究もマウスで網膜下線維化を誘導できている。培養細胞の着手が遅れているが、使用予定のRPE細胞等の準備はできており今後進める予定である。

今後の研究の推進方策

臨床データベースをさらに蓄積し、画像解析をすすめ、2024年度は網膜下線維化の新たなバイオマーカーの同定を目的とした解析を行う。血液のタンパク解析も進めていく。
基礎研究は、免疫染色でSTING経路の発現変化を確認し、阻害剤の効果の検討を行う。
RPEの培養細胞で酸化ストレス負荷などを行い阻害剤の薬効評価も進める。

次年度使用額が生じた理由

生体試料の収集とモデル構築に時間がかかり、タンパク解析等が次年度に回ったため。2024年度は、PCRやタンパク解析等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Baseline characteristics associated with the incidence of intraocular inflammation after the intravitreous injection of brolucizumab2023

    • 著者名/発表者名
      Hoshi Keisuke、Kunikata Hiroshi、Aizawa Naoko、Yasuda Masayuki、Okabe Tatsu、Takizawa Hiroki、Abe Toshiaki、Nakazawa Toru
    • 雑誌名

      International Ophthalmology

      巻: 43 ページ: 4701~4709

    • DOI

      10.1007/s10792-023-02870-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 滲出型加齢黄斑変性に対する抗VEGF薬投与前後の眼血流評価2023

    • 著者名/発表者名
      瀧澤廣輝, 安田正幸, 國方彦志, 星佳佑, 岡部達, 新田文彦, 中澤徹
    • 学会等名
      第62回網膜硝子体学会

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公開日: 2024-12-25  

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