研究課題/領域番号 |
23K09071
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
盛 秀嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (50802948)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | LTBP-2 / LTBP-4 / fibrillar-1 / fibulin-5 / 弾性線維 / 加齢 / 落屑症候群 |
研究実績の概要 |
マウスのチン氏帯の組成を免疫染色で蛋白構成を調べると、通常の弾性線維とは異なり、fibulin-5が存在しないことがわかった。チン氏帯の主成分は免疫染色でfibrillin-1であることが判明し、その補助的役割をしているのがLTBP-2,4であることがわかった。緑内障の中でも、難治性とされる落屑緑内障はチン氏帯が経年劣化が落屑物質として緑内障を生じるとされているが、現在なお病態の完全解明はなされていない。そこで、本研究は、薬理学教室との共同研究でLTBP KOマウスを有し、弾性線維の劣化を生じやすいマウスにさまざまな外的刺激を加えることで、落屑症候群モデルマウス作成を試みている。落屑症候群は、紫外線や加齢などが原因ではないかとされていることから、本研究でもwildおよびLTBP KOマウスにUV照射や加齢させ、落屑症候群を生じるか細隙灯検査や、免疫染色によるfibriilin-1染色によるチン氏帯本数に有意差が生じるが検討しているが、LTBP KOマウスとwildマウスには大きな差はあるが、上記のような外的刺激を加えても有意な減少差は認められていない。加齢と言っても、まだ1-2年程度であり、あと1年は加齢させ、老齢マウスを増やすことが重要と考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績にも記載したように、現在は外的刺激のやり方がまだうまく進んでいないと考える。UV照射時間が短いことや老齢マウスの作成が思っていたより難しい(特にKOマウスはwildと比較して早くに死んでしまう傾向にある)。 一方で、マウスの眼圧測定は人間でも使用されているiCAREにて代用はできると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
LTBP KOマウス内でも2KOは水晶体亜脱臼を生じやすいことから、チン氏帯が減少し水晶体の支持に脆弱性をもたらしていることがわかるが、一方で、落屑物質の確認はできなかった。KOマウスであることから先天的にチン氏帯本数が少ないことから、KOマウスそのものから落雪症候群は生じ難いと推測される。やはり外的刺激が重要であろう。キーワードはやはりUV照射と加齢である。その両者をさらに進める、つまり超老齢マウスおよびUV照射時間を長くするなどして、臨床に近い落雪症候群モデルマウスの作成を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
まだモデルマウスを作ることができないため、今以上の免疫染色やPCR,Western Blotに使用する実験費用が余ったため次年度に繰り越す
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