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2023 年度 実施状況報告書

光老化のSASP制御~幹細胞エクソソームによるSkin Rejuvenation

研究課題

研究課題/領域番号 23K09073
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 周子  北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (00829434)

研究分担者 山本 有平  北海道大学, 医学研究院, 教授 (70271674)
前田 拓  北海道大学, 大学病院, 講師 (80813542)
石川 耕資  北海道大学, 医学研究院, 助教 (60791374)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード皮膚 / 光老化 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム / 抗老化
研究実績の概要

超高齢化社会において、全臓器のRejuvenationは最大の課題である。形成外科領域におけるRejuvenationとは、皮膚の老化を改善し、若々しい肌を保つことに他ならない。老化研究は老化制御シグナルの同定、Klotho遺伝子の発見および老化モデルマウスの開発により飛躍的に発展した。
老化した細胞から分泌されるSASP (Senescence Associated Secretory Phenotype: 細胞老化関連分泌形質) は慢性炎症や発がんを引き起こすトリガーとされており、近年注目を集めている。その制御機構の解明はRejuvenationを目指す上で必要不可欠である。SASPは老化細胞から放出されるエクソソームに含まれるmiRNAの働きで分泌されることが明らかになってきたが、その詳細な機序は解明されていない。
光老化は紫外線により生じる活性酸素の慢性刺激で引き起こされる皮膚の細胞老化であり、皮膚に皺や弛みをもたらし、日光角化症や有棘細胞癌の発生母地ともなる。これまで、動物モデルを用いた光老化細胞に対する検証は行われてきたものの、SASPに関する報告はまだ少ない。
本研究では、胎児に由来し細胞老化の少ない生体由来材料として現在注目されている羊膜由来間葉系幹細胞エクソソームを用いて、皮膚光老化細胞のSASPに与える影響を解析し、その制御機構を詳細に検証することを目的とした。
今年度は、動物モデル作成に必要となる紫外線照射環境の整備を進め、照射強度や照射時間を予備実験で検討した。来年度以降は光老化マウスモデルに対してエクソソーム投与を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は羊膜由来幹細胞 (Amnion-derived Mesenchymal Stem Cell: AMSC)の培養および次年度に予定している動物モデル作成に先立って紫外線照射装置と照射環境の確立を進めた。先行研究で使用されていたUVA管は本邦では入手困難であったため、近年の紫外線研究に関する文献を渉猟し、代替品となるUVAおよびUVB管を購入した。同時に、照射中のマウス個体を安全に隔離するための装置を作製した。照射強度を測定しながら、照射時間などの実験条件を予備実験で検討中である。

今後の研究の推進方策

光老化マウスモデルを作成する。予備実験から妥当な実験条件(照射強度、照射時間/プロトコル)を求め、皮膚の肉眼所見を観察し、病理学的に評価する。また、AMSCの培養上清からエクソソーム抽出を行い、エクソソーム表面マーカーCD9, CD63, CD81の発現をウェスタンブロットで確認する。さらにエクソソーム注入による介入実験を予定している。

次年度使用額が生じた理由

用いるマウスとして、当初予定していたBLAB/cヌードマウスはT細胞機能の欠如があり免疫学的評価の観点で望ましくないと判断したため、Hos;HR-1ヘアレスマウスに変更した。BLAB/cヌードマウスは1匹5,000円程度と高額である一方、Hos;HR-1ヘアレスマウスは1匹2,500円であり、現段階では本実験に移行していないため使用したマウスの数が少ない。次年度以降まとまった数のマウスを使用していく予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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