• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

難治性潰瘍での変性コラーゲンの局在証明、再上皮化遅延の病態解明とその治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K09079
研究機関岡山大学

研究代表者

久保 美代子  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (00098609)

研究分担者 山本 健一  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00711798)
米澤 朋子  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30304299)
大橋 俊孝  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50194262)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード難治性潰瘍 / 変性コラーゲン / 再上皮化 / β3インテグリン遺伝子導入ヒト表皮角化細胞 / 再生医療
研究実績の概要

1.褥瘡9例と熱傷(コントロール)9例を対象にし、BindCOL, biotin-conjugatedを使用して変性コラーゲン(gelatin: GEL)の局在を調べた。ホルマリン固定、パラフィン包埋標本、5μm切片で検査した。その結果、本試薬使用条件下で熱傷1例に真皮内の変性コラーゲン陽性を観察した。褥瘡では変性コラーゲンの局在を検出できなかった。現在、類似試薬(Collagen Hybridizing Peptide)を使用して再度検査中である。
2.正常ヒト表皮角化細胞(normal human keratinocyte: NHK)、β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒト表皮角化細胞(αvβ3発現HK)のGEL上でのin vitroの諸細胞機能を1時間の細胞接着アッセイ、14時間のscrach wound healing assay、4日間の細胞増殖アッセイ(CCK-8 assay)により検査した。GELの種類{Type A (Sigma)、Type B (Sigma),低エンドトキシンゼラチン(nippi)}、ゼラチン調整方法{オートクレーブ法(121℃、20分)、煮沸法(50℃、20分)}、GEL濃度 (0-10,000 μg/ml)などの違いによる影響を調べた。培地は無血清・低Ca培地 (0.1 mM)を使用した。その結果、αvβ3発現HKの細胞接着、細胞移動はすべての条件下でNHKに比べて有意に増加した。両細胞の細胞増殖はGELの種類、調整方法により幾分異なり、GEL濃度依存性の細胞増殖曲線を示した。それらの共通所見として、NHKは低濃度(10-100μg/ml)GEL上でGEL 0に比べて増殖が有意に減少した。またαvβ3発現HKの増殖はType A、煮沸法、高濃度(1,000-10,000μg/ml)GELを除くすべてでNHKと比べて有意に増加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和5年度
1.褥瘡9例と熱傷(コントロール)9例を対象とし、BindCOL, biotin-conjugatedを使用して変性コラーゲン(gelatin: GEL)の局在を調べた。
2.正常ヒト表皮角化細胞 (NHK)、β3インテグリン・サブユニットcDNA導入ヒト表皮角化細胞(αvβ3発現HK)のGEL上でのin vitroの諸細胞機能(接着、移動、増殖)を調べた。
ほぼ計画どうりに実験が進んでいる。

今後の研究の推進方策

令和6年度
3.変性コラーゲン上でのNHK、αvβ3発現HKのin vitroの細胞増殖、細胞形態の違いの機序解明を行う。具体的には、① 蛍光抗体法によりfocal adhesion形成を検索する。②蛍光抗体法、qPCRを行い、種々の濃度のGEL上で培養したNHK、αvβ3発現HKについてフィブロネクチン(FN)分布、細胞内のFN1 mRNAレベルを定量して比較する。③蛍光抗体法、qPCRにより GEL上での表皮角化細胞インテグリン(αv、α5、β1、β3)発現、MMPs発現の変化を蛋白レベルならびにmRNAレベルで検索する。④ RNAi法(FN1、ITGA5遺伝子を抑制するsiRNA使用)あるいはFN投与による細胞増殖の変化を検索する。
4.In vivoのヌードマウス難治性潰瘍モデルでNHK移植、αvβ3発現HK移植による変性コラーゲンに対する再上皮化促進効果の有無を比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品の購入について予定よりも安価に抑えることが出来たため、次年度使用額が生じた。残額については令和6年度の実験に必要な消耗品に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] β3インテグリン遺伝子導入ヒト表皮角化細胞を用いた難治性潰瘍に対する新規再生医療の開発2023

    • 著者名/発表者名
      久保美代子、山本健一、木下理恵、米澤朋子、大橋俊孝、阪口政清
    • 学会等名
      第55回日本結合組織学会学術大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi