今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究成果では、アレンドロネート投与によってendomucin陽性血管の形態異常や蛋白・遺伝子発現が生じていた。これらの変化がアレンドロネートの直接作用であるのか、あるいは、骨の細胞群を介した間接作用であるのかを明らかにする目的で、株化血管内皮細胞株(MS-1細胞)に、アレンドロネートを添加して培養し、in vivo実験と同様の変化が生じるかを検索してゆく。また、アレンドロネート投与後の骨特異的血管が血管周囲に存在する骨芽細胞系細胞(ストローマ細胞を含む)、また、破骨細胞の分化や機能調節を行う可能性について、血管から骨芽細胞系細胞に対しては、カップリングや分化関連因子(ephrinB2/EphB4, notch/HIF1α, Runx2/Osterix/ALP, Ki67/PCNA)、細胞増殖(BrdUの取り込み)などを中心に解析する。一方、血管系から破骨細胞に対しては、RANK/RANKLシグナルをはじめ、Semaphorin3A,Wnt5a/Ror2シグナルなどを解析してゆく。また、抗RANKL中和抗体製剤投与マウスにおける骨の血管系の変化について、成獣マウスに抗RANKL中和抗体を投与した動物モデルを作成し、アレンドロネート投与マウスと同様に、endomucin, CD31, αSMA, ALPなどの各種免疫組織化学や透過型電子顕微鏡・超解像顕微鏡による微細構造解析、各種遺伝子発現解析を実施して、血管の形態異常や蛋白遺伝子発現変化を解析する予定である。
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