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2023 年度 実施状況報告書

Runx2による軟骨細胞から骨芽細胞への分化転換の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K09121
研究機関長崎大学

研究代表者

松裏 恵子  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特別研究員 (20770423)

研究分担者 小守 壽文  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 特命教授 (00252677)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード骨芽細胞 / 軟骨細胞 / Runx2 / 分化転換
研究実績の概要

成長板において、軟骨細胞は静止軟骨細胞、増殖軟骨細胞、肥大軟骨細胞、終末期肥大軟骨細胞へと分化して行き、終末期肥大軟骨細胞は、アポトーシスによって死滅し、骨芽細胞によって形成される骨に置き換えられると考えられてきた。Runx2は骨芽細胞分化及び軟骨細胞の後期分化に必須な転写因子であり、増殖軟骨細胞から肥大軟骨細胞への成熟に必須な役割を果たしている。肥大軟骨細胞に発現するX型コラーゲンのプロモーター・エンハンサーを用いたCol10a1 Creマウスと、Rosa 26レポーターマウスとの交配実験から、初めて軟骨細胞から骨芽細胞への分化転換が証明された。さらに、軟骨細胞から骨髄間質細胞に分化転換し、この骨髄間質細胞が骨芽細胞のソースとなることが報告された。所属研究室は、Runx2 floxマウスとCol10a1 Creマウスを交配し、肥大軟骨細胞特異的にRunx2を欠失させた(Runx2fl/flCre)マウスを作製、Runx2が軟骨細胞から骨芽細胞への分化転換に必須であることを証明した。本研究では、Runx2fl/flCreマウスで、骨芽細胞への分化転換が阻害された分化段階を特定し、その分化段階で、Runx2による分化転換に必要な遺伝子を明らかにすることを目的とした。加えて、個々の細胞の発現プロファイリングを行うことにより、Runx2による分化転換に必要な遺伝子を推定し、多様性を生み出す細胞の運命決定のメカニズムを解明することとした。本年度は、蛍光タンパク質(mTFP)を発現するレポーター(Rosa)マウス、Runx2 floxマウス、Col10a1 Creマウスを交配し、Runx2fl/+Cre Rosa(コントロール)マウス及びRunx2fl/flCre Rosaマウスを作製した。さらに、胎生16.5日の大腿骨と脛骨のmTFP+細胞に関して、各種細胞表面分化マーカー抗体を用いて、各分化段階の細胞を分離すべくFACS解析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

Rosaマウス、Runx2 floxマウス、Col10a1 Creマウスの交配により、Runx2fl/flCre Rosaマウスを得るのにかなり時間がかかった。さらに、胎生16.5日のRunx2fl/+Cre Rosaマウス及びRunx2fl/flCre Rosaマウスの大腿骨および脛骨からFACSを用いてmTFP+細胞を分離し、各種細胞表面分化マーカー抗体を用いて各分化段階の細胞比率を調べているが、得られるmTFP+細胞が少なく、各分化段階の詳細な解析に時間がかかっている。

今後の研究の推進方策

十分な数のRunx2fl/+Cre Rosaマウス及びRunx2fl/flCre Rosaマウスを準備し、複数のマウスよりmTFP+細胞を分離し、それらを合わせてFACS解析することにより、各分化段階の細胞比率を詳細に調べる。その後、FACSでソーティングした細胞を用いて、令和6年度に遂行予定のscRNA-seqを行う。

次年度使用額が生じた理由

各種細胞表面マーカー抗体のうち、1つ抗体の輸入に時間がかかったため、次年度使用が生じた。
繰り越した経費は、この抗体の購入に充てる予定。

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公開日: 2024-12-25  

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