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2023 年度 実施状況報告書

未知受容体の同定から探る液性因子カートデューシンの生理的・病態学的意義

研究課題

研究課題/領域番号 23K09136
研究機関大阪大学

研究代表者

前田 隆史  大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80324789)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードCTRP3 / C1QTNF3 / 肝臓 / アミノ酸代謝 / 絶食
研究実績の概要

Cartducin(カートデューシン)はC1q/TNF-related protein 3 (CTRP3)ともよばれており、新たなカテゴリーである「C1q/TNFファミリー」に属する。研究代表者は、絶食させたCartducinノックアウトマウスの肝臓では野生型マウスに比べて20種類のアミノ酸中10種類のアミノ酸の濃度が有意に減少していることをメタボローム解析を用いて明らかにした。令和5年度は、この「Cartducinが絶食時における肝臓でのアミノ酸代謝にも関わっている」という当初予期していなかった事象について研究を進めた。絶食時における肝臓内のアミノ酸量は、タンパク質がオートファジーによって分解されて生じるアミノ酸と、アミノ酸代謝酵素によって代謝されるアミノ酸とのバランスにより変動することが知られている。そこで、まずはじめにオートファジー関連遺伝子(Sesn2、Trp53inp1、Ulk1)の発現量を比較検討したところ、ノックアウトマウスの肝臓では野生型マウスのそれと比べていくつかの遺伝子の発現が有意に増加していることが明らかになった。一方、20時間絶食時においてCartducinノックアウトマウス肝臓内での濃度減少が見られた10種類のアミノ酸のうち、セリンとスレオニンについてそれぞれの代謝酵素遺伝子(セリン脱水酵素、スレオニン脱水素酵素)の発現量を比較検討したところ、ノックアウトマウスと野生型マウスの両群間において両遺伝子の発現に違いは見られなかった。ノックアウトマウスではアミノ酸量の減少が見られたことから、「オートファジーの抑制」、「アミノ酸代謝の促進」が予想されたが、得られた結果は異なるものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、「Cartducinが絶食時における肝臓でのアミノ酸代謝にも関わっている」という当初予期していなかった事象について研究を進めたため、当初の計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

昨年度得られた成果からも、肝細胞表面にはCartducin受容体が発現していると考えられる。これらを手がかりにしてCartducinの受容体分子の探索を予定している。また、肝臓でのアミノ酸代謝に関わるCartducinの作用メカニズムについても、他のアミノ酸代謝酵素について検討するなどして、さらに研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

進捗状況が遅れていることもあり、研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なった。しかしながら、研究計画の全体に変更はなく、今後の研究の推進方策に基づいて前年度の研究費も含めて執行を進めていく。

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公開日: 2024-12-25  

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