研究課題/領域番号 |
23K09160
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
小越 菜保子 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60509115)
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研究分担者 |
植野 高章 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60252996)
坂口 翔一 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (20815279)
今井 義朗 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (60734415)
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 口腔細菌叢 / IgA / 胃癌 |
研究実績の概要 |
近年の細菌叢解析の技術的進歩により,口腔細菌叢と消化器疾患の関連が示唆されている。口腔細菌は唾液と共に常に胃に流入していることから,胃内細菌環境に影響を及ぼしている可能性があるが,詳細はわかっていない。本研究は,胃癌患者の胃内細菌環境における口腔細菌叢および細菌叢の制御にかかわる宿主の IgA 抗体応答性の関与を明らかにすることを目的とした。 今年度は,胃癌患者の口腔細菌叢と胃内細菌叢の関連を評価した。大阪医科薬科大学病院消化器外科で原発性胃癌と診断され,幽門側胃切除術の術前に,歯科口腔外科に周術期口腔管理を目的に紹介された患者のうち,全身疾患のない他に治療を受けていない患者を対象者とした。対象者から,胃切除術の術前と術後約6か月の時点で唾液と胃内容液のサンプルを採取した。サンプルからDNA 抽出後,16S rRNA 遺伝子の V1-V2 領域を PCR で増幅し,次世代シーケンサー(Miseq,Illumina)にて配列決定し,細菌叢解析を行った。胃切除前後の口腔細菌叢と胃内細菌叢の変化を特徴づけ,この変化に関連があるかどうかを評価した。その結果,口腔内と胃内に同様の増減を示す細菌属の存在が明らかになった。また,唾液と胃内容液中の分泌型IgA抗体濃度を測定し,検出可能であることを確認した。IgA抗体濃度が口腔内と胃内で関連があるか,胃切除前後で変化するか,細菌叢と関連するか,今後解析予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
必要な臨床サンプルの採取およびその細菌叢解析の手法を確立することができた。この手法を用いてさらに研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後,さらにサンプル数を増やし,採取したサンプルを用いてIgA抗体の応答性を評価し,細菌叢との関連について解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はサンプル採取に時間を要し,その後の解析を行うことができなかった。次年度には,採取したサンプルの解析を行っていく予定であり,そのための予算として,次年度使用額を使用予定である。
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