研究課題/領域番号 |
23K09170
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新城 尊徳 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20711394)
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研究分担者 |
横溝 久 福岡大学, 医学部, 講師 (60866747)
岩下 未咲 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80611326)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 歯周炎 / 歯周医学 / HPGDS / PGD2 |
研究実績の概要 |
2型糖尿病モデルKK-Ayに実験的歯周炎を惹起し、3週間維持すると尿アルブミン-クレアチニン比が有意に増加し、糸球体の各種病理像(メサンギウム領域、糸球体線維化領域の拡大、CD68陽性細胞浸潤数の増加)が増悪することが確認されたが、HPGDS阻害剤HQL-79(30mg/kg)あるいは溶媒を結紮翌日より1日1回経口投与することにより、実験的歯周炎を惹起したKK-Ayマウスにおける尿アルブミン-クレアチニン比がの増大は、溶媒投与群に比べてHQL-79投与群で有意に低下した。また、上記の糸球体病理像もHQL-79投与群で改善傾向が見られた。 これらの結果より、歯周炎による糖尿病性腎症の増悪には糸球体のHPGDS発現亢進が重要な役割を持つことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HQL-79投与実験を滞りなく実施することができた。現在、糸球体構成細胞における糖尿病によるHPGDS発現亢進を示す細胞と、HPGDSにより合成されたPGD2による作用をin vitro実験で検討している。
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今後の研究の推進方策 |
①糸球体構成細胞(メサンギウム細胞、血管内皮細胞、ポドサイト)における糖尿病・歯周炎に応答したHPGDSの発現変動の確認、②糸球体構成細胞における糖尿病下でのPGD2の作用、についてin vitroで検討する。また、③Hpgds-KOマウスを用いた糖尿病性腎症の表現型の解析実験も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス飼育費や実験費用が実験の進行度により予定よりも若干少額で済ませることができているため。
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