研究課題/領域番号 |
23K09198
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝日 陽子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (50456943)
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研究分担者 |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | バイオフィルム / 根面う蝕 / 硝酸還元 |
研究実績の概要 |
超高齢社会を迎え,また高齢者における残存歯数が増加し,根面う蝕の急増が歯科において深刻な問題となっており,効果的なコントロール法が切望されている。本研究では,口腔細菌叢のバランスの維持に関与することが期待されている口腔細菌による硝酸還元活性に着目し,初期根面う蝕関連バイオフィルムにおける硝酸還元活性および硝酸還元細菌の実態を明らかにする。そして,得られる結果をもとに,初期根面う蝕病変を模するin situバイオフィルムモデルを用いて,細菌叢に着目したバイオフィルムのコントロール法を検討する。 大阪大学歯学部附属病院を受診した65歳以上の患者のうち根面う蝕を有する者で,インフォームドコンセントを行い同意が得られた者を対象とし,デンタルバイオフィルムを採取して硝酸還元活性を担う細菌種を検索した。また,同一サンプルよりDNAを抽出し,次世代シーケンサーを用いたアンプリコンシーケンス解析にて,バイオフィルムを構成する細菌構造につき検討を行った。その結果,被験者間では個人差が認められたものの,これまで硝酸塩還元細菌として報告されているVeillonella属やStreptococcus属などが検出された。さらに,これまで硝酸塩の還元能について報告のなかった細菌種も検出されたが,これはアンプリコンシーケンス解析の結果,対象とした健全な露出根面部よりも根面う蝕病変部において採取されたバイオフィルムにおける相対的割合が高かった細菌属であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定よりもサンプル採取数が少し遅れているものの、次年度に行う予定であった細菌叢解析も並行して行っているため、全体としての進捗状況はおおむね予定通りと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、サンプル採取を行い硝酸還元細菌の同定と細菌叢解析を行っていくとともに、硝酸還元活性の条件検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプル採取が当初の予定より少し遅れており,次年度使用額が生じた。積極的にサンプル採取を行い,生じた次年度使用額は細菌叢解析と並行して、引き続き行う予定である硝酸還元活性を担う細菌の同定に用いる予定である。
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