研究実績の概要 |
ProRoot MTA(以下P),MTAアンジェラスHP(以下HP),MTA Flow White(以下F),ニシカキャナルシーラーBG Multi(以下N),Bio-C Repair(以下BR)の5種類のバイオセラミックス,およびスーパーボンド(以下SB)の計6種類の歯科用材料の,ヒト歯根膜由来細胞(以下hPDLCs)における細胞親和性を評価することを目的として実験を行った.P, HP, F,N,BR, SBの6種類の材料でディスクを作製した.また,長崎大学病院で抜歯された抜去歯のうち,歯周炎もしくは智歯周囲炎を認めない小臼歯および第三大臼歯において,メスを用いて歯根中央部1/3からhPDLCsを採取し,10% FBS含有DMEM培地中で37℃,5% CO2条件下で培養後,3~5代継代したものを実験で使用した.作製したディスクを48ウェルプレートの底面に静置し,その上にhPDLCsを,100,000cells/wellの濃度で播種し,10% FBS含有DMEM培地中で培養し,7日目および28日目に,MTT Cell Proliferation Assay Kitを用いて細胞代謝活性試験を行った.ディスクを静置せずhPDLCsのみで培養したものをネガティブコントロールとした(以下NC).培養7日目と28日目の吸光度の差の検定に,対応のあるt検定を用いた(α = 0.05).培養7日目の吸光度は,F群 < N群 < BR群 < SB群 < P群 < HP群 < NC群の順に大きい結果となり,培養28日目の吸光度は,F群 < P群 < N群 < BR群 < SB群 < NC群 < HP群の順に大きい結果となった.また,HP群,N群, BR群, SB群およびNC群では,培養7日目と比較して28日目において有意に吸光度の上昇を認めたものの,P群およびF群では有意差を認めなかった.
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