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2023 年度 実施状況報告書

顎口腔と全身の機能の因果:生体データ、シミュレーション、機械学習の応用による検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K09286
研究機関北海道大学

研究代表者

坂口 究  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (90312371)

研究分担者 丸山 智章  茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (00455114)
横山 敦郎  北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード咀嚼運動 / 立位 / 頭部動揺 / 体幹動揺 / 足底圧荷重分布
研究実績の概要

我々はこれまでに,咀嚼運動は,立位と座位ともに姿勢の安定性を高める可能性があることを報告してきた.しかしながら,それぞれの姿勢において,咀嚼運動が姿勢制御にどのような影響を及ぼし,姿勢の安定化が図られるのかについては不明な点が残されていた.今年度は,立位における咀嚼運動が頭部動揺,体幹動揺,足底圧荷重分布に及ぼす影響とこれらの関連性について明らかにすることを目的とした.
立位(自然直立姿勢)において,下顎安静位,咬頭嵌合位,グミ咀嚼時の各条件下,頭部動揺,体幹動揺,足底圧荷重分布の同時計測を行った.頭部動揺と体幹動揺の計測は,3次元画像解析システムを用いて,頭部と体幹にそれぞれ設定した4計測点の動作解析を行った.頭部動揺の安定性評価の定量的指標には,頭部に設定した4計測点の重心の平均座標を仮想中心として,仮想中心と各重心座標との平均距離を頭部動揺値と定義して用いた.体幹動揺の安定性評価についても同様の計算を行い,体幹動揺値と定義して用いた.足底圧荷重分布は足底圧分布測定システムを用いて計測した.足底圧荷重分布の安定性評価の定量的指標には,足底圧荷重中心移動の総軌跡長と面積を用いた.
立位における頭部動揺値と体幹動揺値は,下顎安静位,咬頭嵌合位,グミ咀嚼の順に小さくなった.足底圧荷重中心移動の総軌跡長と面積は,下顎安静位,咬頭嵌合位,グミ咀嚼の順に,それぞれ短く,かつ小さくなった.立位におけるグミ咀嚼時には,頭部動揺と体幹動揺,頭部動揺と足底圧荷重分布,体幹動揺と足底圧荷重分布それぞれの間に正の相関が認められた.これらの結果から,立位では,下顎安静位,咬頭嵌合位を保持した時と比較して,グミ咀嚼時には,頭部動揺,体幹動揺,足底圧荷重分布がすべて小さくなり,それぞれの動揺が相関をもって姿勢の安定性に関係することが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究を遂行するための人的資源の確保が滞るとともに,研究遂行のための十分な時間も確保することができなかったために,効率的に研究を進めることができなかった.

今後の研究の推進方策

サンプリング数を増やすとともに,サンプリングした生体データに基づくモデルシミュレーション実験と機械学習を応用した各パラメータの相互関係の解析による検証を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

計画通りに進めることができなかったために,予定していた備品や消耗品などの購入に至らず,次年度使用額が生じることとなった.次年度は計画に則って研究を遂行し,そのために必要な備品などを購入する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] タフツ大学歯学部(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      タフツ大学歯学部
  • [雑誌論文] Correlations of head and trunk sways, and foot pressure distribution during chewing in the standing position2023

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi K, Mehta NR, Maruyama T, Correa LP, Yokoyama A
    • 雑誌名

      J Clin Med

      巻: 8 ページ: 279, 296

    • DOI

      10.54647/cm321157

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2024-12-25  

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