研究課題/領域番号 |
23K09290
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 助教 (00508921)
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研究分担者 |
田原 大輔 龍谷大学, 先端理工学部, 教授 (20447907)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (30178644)
白石 成 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60585355)
互野 亮 東北大学, 大学病院, 助教 (80845876)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 摂食嚥下障害 / 筋骨格解析 |
研究実績の概要 |
本研究は、摂食嚥下障害を最先端の生体シミュレーション技術に応用し、個体別の筋骨格嚥下シミュレーションを実現することを目的としています。東北大学病院で得られた臨床データと、Aalborg大学AnyBody Research Groupの逆動力学分野の研究開発力を組み合わせ、新たな臨床検査法の開発を目指しています。初年度の実施状況として、主にシミュレーションモデルの構築に重点を置いて進められ、具体的な進捗は以下の通りです。1.シミュレーションモデルの構築:筋骨格解析ソフトウェア(AnyBody)を用いて、患者個体別筋骨格嚥下解析のシミュレーションモデルを構築しました。このモデルは、これまでのモデルに舌骨を追加し嚥下時の舌骨挙上量や顎運動などの動作を定義し、患者の逆動力学要素を反映することで、嚥下関連筋群の筋力推定や筋活動量計算を行うことを目指します。2.動作定義とシミュレーションの精度向上:嚥下造影検査や顎運動計測データを基に、被験者特有の動作条件を設定するために、まずは下顎運動データから嚥下動作を再現することを目指しました。これにより、患者個々によって異なる形態・動作条件を再現することが可能となります。以上の進捗により、臨床検査データに基づくPersonalized Musculoskeletal Swallowing Simulationの構築が進められました。今後は、さらなるデータ収集と解析を通じて、本シミュレーションモデルの精度を高め、摂食嚥下障害の診断や治療に役立てることを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
嚥下を再現する筋骨格モデルは初めての試みであるが、現状、舌骨および舌骨上下筋群の定義および動作定義は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として、より多様な摂食嚥下障害患者からの臨床データ収集を行い、様々な症例に対応可能なシミュレーションモデルの構築を目指す。また、現在のシミュレーションモデルに対する検証と改良を継続し、より妥当性の高い嚥下動態を再現する。シミュレーション結果を臨床現場での診断や治療計画立案に役立てる方法を検討し、実用化に向けたステップに向けて嚥下機能評価や治療効果判定のための新たな指標や評価手法を検討する。これらの方策を通じて、摂食嚥下障害の診断や治療に貢献する個体別筋骨格嚥下シミュレーションの実現を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度以降の解析ケース増加へ向けた検査およびソフトウェア年間保守料としての予算を確保しており、次年度助成金と合わせて使用する予定である。
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