研究課題/領域番号 |
23K09295
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三木 春奈 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60739902)
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研究分担者 |
水口 一 岡山大学, 大学病院, 講師 (30325097)
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 顎関節症 / 長期予後 |
研究実績の概要 |
非復位性関節円板前方転位を含めた顎関節円板障害の予後は良性 self-limiting であると考えられており,なるべく不可逆的な咬合治療を避けるべきとのコンセンサスが世界的にも提唱されている。この背景には,関節円板がより前方に転位し,変形することによって関節運動の障害とならなくなることに加えて,円板後部結合組織の軟骨化生や関節円板の再生によって偽関節円板と呼ばれる特徴的なMR画像を呈する組織が生まれ,転位し障害を受けた関節円板機能が代償されるとの推測があった。しかし,画像診断を含めた臨床疫学的な観点からは,この適応変化の発現が,症状好転の良いマーカーとなるのかどうかは十分研究されていない。そこで本申請研究では,顎関節円板障害患者を対象に新たに作成した信頼性の高いMR画像の読影基準を用いて,偽関節円板像を含めたMR画像所見と遠隔予後調査における臨床症状との関連性を検討することとした。 令和5年度は研究を開始するにあたり,作成したMR画像の読影基準を3名の評価者間で確認しキャリブレーションを行った。MR画像は,1顎関節につき下顎頭中央部とその内側,外側の3枚の画像データをそれぞれ1画面にまとめ,開閉口時プロトン密度強調画像および閉口時T2強調画像の3種類の撮像条件の画像,計9画像にて抽出した。MR画像の評価項目は関節円板動態,関節円板転位の位置,関節円板変形の程度,下顎頭の位置,下顎頭骨変形の有無,joint effusion像の有無,偽関節円板像の有無の7項目とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
読影基準のキャリブレーションに時間を要したため
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今後の研究の推進方策 |
まずは過去に行った研究サンプルに対して,作成した MR画像読影基準を用いて顎関節円板障害患者の初診時ならびに長期予後調査時におけるMR画像所見の検出を行う予定である。その後,長期経過後に良好な予後を呈する症例に関連する因子について多変量解析を用いて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度は研究遂行にあたって計画の再検討を行う必要があり,経費計上していた大半の研究に着手できなかったため次年度使用が生じた。令和6年度に当初計画に上乗せする形でその分も含め実験を進め,経費執行予定である。
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