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2023 年度 実施状況報告書

扁平上皮特異的金属結合タンパク質を利用した口腔癌遺伝子治療に向けての基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K09323
研究機関松本歯科大学

研究代表者

十川 紀夫  松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (30236153)

研究分担者 十川 千春  広島工業大学, 生命学部, 教授 (10253022)
宮崎 育子  岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40335633)
村上 聡  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70385219)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワードメタロチオネイン / 口腔がん / アポトーシス / 亜鉛トランスポーター
研究実績の概要

メタロチオネイン(MT)は,生体亜鉛濃度の維持や調節に重要な低分子量の金属結合タンパク質である。亜鉛の細胞内調節は癌の発症,増殖および転移に関与している可能性が示されており,その調節因子の1つであるMTも細胞増殖への関与が示唆されている。MTには4つのアイソフォーム(MT-1,MT-2,MT-3,MT-4)が報告されているが,多くの口腔癌の発生母組織である扁平上皮で特異的に発現するMT-4の生理機能についてはほとんど検討されておらず,その存在意義は未だ明確になっていない。
これまでの検討により,ヒト歯肉由来Ca9-22の細胞でMT-4は細胞増殖を抑制し,これがMT-4による亜鉛トランスポーター(ZIP6,ZIP9,ZnT5)の発現抑制を介する可能性を示した。
MT-4による亜鉛トランスポーター制御機構は未だ不明であるが,MT-4は癌抑制遺伝子であるp53により発現誘導され,これの下流に位置する可能性があることから,2023年度はMT-4遺伝子導入によるアポトーシス誘導を2次元培養にて検討した。また,細胞増殖時の次元の異なりにおけるMT-4遺伝子の発現変動に関する基礎的データを取得するため,2次元培養と3次元培養におけるMT-4遺伝子の発現を検討した。
その結果,MT-4を遺伝子導入してもアポトーシスは誘導されず,さらに,3次元培養では2次元培養と比較し,MT-4遺伝子発現が減少する傾向が認められた

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

3次元培養細胞におけるMT-4遺伝子導入の影響を検討する予定であったが,3次元構築した細胞塊への遺伝子導入効率の低下が懸念されたため,2次元培養においてアポトーシスアポトーシスとの関連を検討した。

今後の研究の推進方策

遺伝子導入効率を考慮し,まず,2次元細胞培養でのMT-4遺伝子発現による変動を確定する。また,MT-4下流遺伝子群の次世代シーケンサー解析は,MT-4定常発現細胞を構築し,一過性遺伝子発現細胞と比較検討することにした。

次年度使用額が生じた理由

2023年度予定であったMT-4下流遺伝子群の次世代シーケンサー解析を,MT-4定常発現細胞の構築後,一過性遺伝子発現細胞とも比較検討することに予定変更したことに伴い,その実施を2024年度に移行したため。

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公開日: 2024-12-25  

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