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2023 年度 実施状況報告書

患者レジストリを用いたIgG4関連涙腺・唾液腺炎の診断における顎下腺超音波の有用性

研究課題

研究課題/領域番号 23K09334
研究機関九州大学

研究代表者

伊東 美穂  九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (20778857)

研究分担者 森山 雅文  九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
中村 瑞樹 (坂本瑞樹)  九州大学, 歯学研究院, 助教 (90848029)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード患者レジストリ / セントラルレビュー / IgG4関連涙腺・唾液腺炎 / 顎下腺超音波検査
研究実績の概要

IgG4 関連疾患 (IgG4-RD) は、高 IgG4 血症や多臓器に IgG4 陽性形質細胞の浸潤と著明な線維化を伴う腫脹を特徴とする、本邦から提唱された新しい疾患概念である。現在、厚労省の指定難病にも認定され、我々も歯科から唯一の研究施設として難治性疾患政策研究事業の研究班に参加している。この研究班で作成された世界初の「 IgG4 関連疾患包括的診断基準」および「臓器特異的診断基準」では、類似疾患との鑑別のために罹患臓器の生検が推奨されている。しかし、涙腺・唾液腺を罹患臓器とする IgG4 関連涙腺・唾液腺炎 (IgG4-DS) の場合、腫瘍との鑑別も考慮して全摘出されることも多く、唾液分泌機能の低下や顔面神経障害などの合併症が生じることがある。また、再発も多いことから長期経過を診る必要があり、非侵襲性で繰り返し実施可能な検査が求められている。そこで本研究は、非侵襲性で繰り返し使用できる顎下腺超音波検査に着目し、IgG4-DS が疑われる患者を対象に顎下腺超音波検査の有用性について前向きに検討し、診断および予後判定法の確立を目的に多施設での検証を行い、診断への実用化を目指す。これまでに、6 施設から 58 例の画像データ・臨床病理学的データを受け、7 つの施設にてセントラルレビューを行なった。セントラルレビューでの顎下腺超音波検査検査 (n= 58) の感度・特異度・正診度はそれぞれ、91.7 %、60.0 %、82.8 %であり、感度は高いものの、特異度が低いという結果であった。診断者が7 名ということもあり、一致率については有意差はあるものの、低値 (κ=0.161) であった。ただし、血清IgG4値と組み合わせた感度・特異度・正診度はいずれも100%となり、診断基準への応用も可能と考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

患者レジストリの使用にはまだ至ってないが、他施設協力施設からのデータ提供・セントラルレビューは順調に進んでおり、研究体制(ノウハウ)も整ってきた。今後は更なる症例数の獲得が必須であるが、患者レジストリを用いることが可能となれば、一層の症例数増加を期待できると考えられるため。

今後の研究の推進方策

多施設協力施設からの更なる画像提供を受け、特に Ig4-DS の否定例の症例数の蓄積を行うことで、顎下腺超音波検査のより正確な診断能を検証できるものと考える。さらに患者レジストリを用いる体制も今後構築していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年はデータの蓄積や解析、設備や体制の構築を積極的に進めたが、一方で頻回な学会発表や論文化までには至ることができず、その結果、想定していた使用額と差が出る結果となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Salivary gland involvement of IgG4-related disease: the role of salivary gland biopsy and ultrasound in the diagnostic process2024

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Moriyama
    • 学会等名
      The fifth international symposium on IgG4-related disease
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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