研究課題/領域番号 |
23K09343
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
篠塚 啓二 日本大学, 歯学部, 講師 (30431745)
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研究分担者 |
平田 亮介 帝京大学, 医学部, 助教 (00808735)
兼古 晃輔 東邦大学, 医学部, 助教 (40459342)
津田 啓方 日本大学, 歯学部, 准教授 (60325470)
関谷 秀樹 東邦大学, 医学部, 准教授 (70267540)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | スーパーエンハンサー / マイクロRNA / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
細胞種特異的な転写因子の結合領域が局所的に密集するゲノム領域であるスーパーエンハンサー(SE)が注目を集めている。SEは従来のエンハンサーとは異なり、非常に強力なエンハンサー領域であり、細胞の種類や機能に関係する重要な遺伝子の近傍に見い出され、組織特異性、疾患特異性、機能特異性などに関する複数の遺伝子発現制御を系統的に行う。癌に関しても発生、進展・悪性化・治療抵抗性などに大きく関与していると考えられている。現在までに、SEに関連するマイクロRNA(miRNA)は細胞の特異性および発現量がきわめて高く、SEという概念により組織に特異的なmiRNAの発現プロファイルがよく説明できることが明らかにされ、SEの妥当性が検証されてきた。本研究では、これまでに我々が同定したmiRNAの結果を発展させ、全ゲノムワイドな解析により、正常細胞・組織とがん細胞のSEの比較から、miRNA遺伝子の近傍のSEに大きな変化がおき、がん細胞では,がん抑制的なmiRNAに関連したSEの喪失,がん促進的なmiRNAに関連したSEの形成がみられることを見出していく。さらに、SEs関連miRNAと口腔癌関連遺伝子間に存在する、miRNAにより発現制御される遺伝子ネットワークを解明する。 本年度は、特異的SEの構造的検索を行うため、クロマチン免疫沈降法(chromatin immunoprecipitation: ChIP) と次世代シークエンサーを組み合わせたChIP-seq 法を行う。候補となるmiRNA、遺伝子等の近傍にヒストンH3K27 のアセチル化が広範囲にわたって起こっている領域の存在があれば、各性質に特異的なSEの構造的候補領域となりうる。口腔癌に特異的なSEの構造的検索を行うために、正常口腔粘膜上皮細胞(HNOKs)と口腔扁平上皮癌細胞株を分析対象とし、現在検体を準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔癌に特異的なスーパーエンハンサーの構造的検索を行うために、正常口腔粘膜上皮(HNOKs)と7種類の口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2、HSC-3、HSC-3-M3、HSC-4、Sa3、SAS、SAS-H1)を分析対象として、クロマチン免疫沈降法(chromatin immunoprecipitation: ChIP) と次世代シークエンサーを組み合わせたChIP-seq法を行う予定であったが、細胞のサンプリングに時間を要してしまい、予定より、遅れが出てしまった。しかしながら、次年度に予定されている過去に同定した増殖・転移・浸潤に関わる遺伝子・non coding RNAの解析データとの照合の準備やネットワーク解析の部分の実験を繰り上げて行える部分に関しては、行うことで調整を計った。
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今後の研究の推進方策 |
癌の増殖性に特異的なスーパーエンハンサーの構造的な検索を探索するため、われわれが発現プロファイリングにより同定したmiR-125bなどの癌制御miRNA遺伝子、miR-199などの癌促進miRNA遺伝子、またその候補ターゲットを用いて、SEの解析結果より得られた対象因子を絞り込む。また、ネットワーク解析も随時進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
特異的SEの構造的検索するために、クロマチン免疫沈降法(chromatin immunoprecipitation: ChIP) と次世代シークエンサーを組み合わせたChIP-seq法による受託解析を予定していたが、細胞サンプルの調整に時間を要したため遂行できず、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、令和6年度助成金と併せて、解析等に使用する予定である。
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