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2023 年度 実施状況報告書

口腔がん患者の再発リスク層別化にむけたFDG-PET/CTのテクスチャ解析の応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K09349
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中村 伸  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70323699)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
キーワード口腔がん / 舌がん / 頸部転移 / FDG-PET / テクスチャー解析 / 予後予測
研究実績の概要

本研究の最終目的は個々の口腔がん患者の予後不良リスクを数値化することで、本研究ではFDG-PET画像を用いて、口腔がん患者における予後不良リスクの数値化を探ることである。FDG-PETによる患者予後予測には、SUVmax, SUVmean, SUVpeakなどのSUV指標、代謝腫瘍体積(MTV)や総腫瘍代謝(TLG)といった腫瘍体積を考慮した指標が予後因子として検証される。口腔がん診断におけるテクスチャ解析による予後予測の報告の多くはCT画像を利用した報告で、FDG-PET画像のテクスチャ解析による報告は数少ない。従来の報告から予後に関連すると考えられている上記の指標にテクスチャ解析による画像特徴量の指標を加えることで、より正確な予後予測が可能であると考えられる。本研究では、研究対象の口腔がん患者を分析群と検証群の2郡に分割し、分析群患者で得られた知見を検証群患者に当てはめて、この有用性の検証を試みる。
これまでの研究進捗状況は、口腔がん患者を舌がん患者に絞って以下の点まで進行した。
①対象となる口腔がん患者の抽出および振り分け:舌がん患者150名を抽出し、分析群100名および検証群50名に振り分けた。
②対象患者の臨床データの取得および解析:全対象患者の年齢、性別、原発部位、病期分類、病理組織所見、患者予後(転移および再発の有無)などの臨床情報を院内電子診療録より取得した。
③対象患者(分析群)のFDG-PETパラメータの計測:対象患者のFDG-PET画像から、原発病変のSUVmax、SUVmean、SUVpeak、原発病変のMTVおよびTLGを算出した。さらに対象患者のPET画像のテクスチャ解析から、頸部転移あり群となし群の2群間で異なる画像特徴量を抽出した。これらの因子と頸部転移との関連性を単変量および多変量解析で評価し、予後予測に利用可能と考えられる因子を抽出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

提出した研究計画書では、本年8月までに上記③のステップ終了予定としたが、現段階でここまでは概ね終了していると考えている。検証群症例の解析も同時進行で行っており、概ね計画通りに進捗していると思われる。

今後の研究の推進方策

現状を踏まえ、今後は計画通りに、以下のステップに進めていく予定である。
④予後不良となる可能性を推定するための予後予測式の構築
分析群患者データから得られたこれまでの結果から、予後に関連すると推測された臨床的および画像的因子に対してロジスティック回帰分析にて解析し、各因子の予後不良因子としてのオッズ比および偏回帰係数を算出する。各因子の偏回帰係数および実測値を前述のロジスティック回帰式に代入することで、各因子を総合的に加味した予後不良となる可能性(割合)を推定するための予後予測式を構築する。
⑤検証群患者による予後予測能の検証
検証群患者において、上記で得られた予後予測式の計算に必要な因子を算出または評価する。これらを予測式に代入し、予後不良の可能性を数値化する。得られた結果と実際の予後との対比を行い、数値化による予後予測が可能であったかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

予算の関係で、統計ソフト購入に際して、フルパッケージではなく、カスタム仕様で購入した。不足分に関しては次年度予算で購入を予定している。

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公開日: 2024-12-25  

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