申請者はこれまでに口腔顔面領域の神経障害性疼痛の発症過程において、三叉神経脊髄路核尾側亜核の新たな痛みメディエーターとしてinterleukin-33 (IL-33) を見出してきた。しかし、IL-33による神経障害性疼痛への関与は未だ十分に解明されていない。口腔顔面領域の神経障害性疼痛の発症に寄与する領域は三叉神経脊髄路核尾側亜核のみならず三叉神経節も重要な役割を担うことが知られている。しかし、IL-33の三叉神経節への影響は国内外を通じて報告は皆無である。そこで本研究では、口腔領域の神経障害性疼痛の発症時の三叉神経節のIL-33の役割を解析することを目的とした。三叉神経第2枝の眼窩下神経を部分結紮することで神経障害性疼痛モデルマウスを作製した。口髭部の機械刺激に対する応答性は神経損傷後に経日的に増加し、神経障害性疼痛の特徴である触覚痛覚として認識する機械アロディニアが認められた。神経損傷後の三叉神経節におけるIL-33の発現量は非損群と比較して有意な増加が認められた。
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